市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場はFOMCの結果を受けて反落 日本市場は大幅な円安を受けて買い優勢でのスタートか

NYダウ: 19792.53  ▼118.68 (12/14)
NASDAQ: 5436.67  ▼27.16 (12/14)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はFOMCで来年の利上げ回数の見通しが2回から3回へと引き上げられたことで金利が上昇し、ドル高が進んだことで素材関連や輸出関連企業などに売りが広がり下落しました。FOMCの結果発表を午後に控え様子見となり小幅安で推移していたダウ平均はFOMCの結果発表直後こそ買いが優勢となり55ドル高まで買われましたが、直ぐに下げに転じると下げ幅を広げ一時は160ドル安余りまで売られました。その後一旦持ち直す場面もあったダウ平均ですが引けにかけて再び下げ幅を広げ結局118ドル安の19,792ドルと8日ぶりに反落して取引を終えました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も27ポイント安の5,436ポイントと反落しています。

2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利の誘導目標0.50%-0.75%とし1年ぶりに0.25%引き上げました。また、2017年末の政策金利の見通しも1.125%から1.375%に上方修正され、これにより来年の利上げ回数の見通しがこれまでの2回から3回へと引き上げられました。11月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比1.3%上昇し市場予想を上回りました。一方で11月の米小売売上高は前月比0.1%増となりましたが、市場予想は下回っています。11月の米鉱工業生産も前月比0.4%低下し市場予想を下回っています。米設備稼働率も0.4ポイント低下の75.0%となり市場予想を下回っています。さらに10月の米企業在庫も前月比0.2%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーと公益事業が2%以上の下落となったほか、不動産も2%近く下げています。

4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー(CAT)が2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、原油安を受けてエクソンモービル(XOM)も2%を上回る下げとなったほか、シェブロン(CVX)も軟調となっています。食品の衛生診断事業を売却すると発表したデュポン(DD)も下げています。スイスの製薬会社の買収を断念したと発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)は目先の財務負担は回避されるとの見方から買いが先行したものの、買いが続かず小幅に下げて取引を終えています。一方でゴールドマン・サックス(GS)やアメリカン・エキスプレス(AXP)などが小幅に上げています。

5.為替・金利等
長期金利はFOMCで来年の利上げペースが引き上げられたことで0.10%高い2.57%となりました。こうしたなかドル円では大幅に円安が進み117円近辺で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株は下落となったものの、ドル円が大幅に円安に振れていることから本日の日本市場は買い優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日中はドル円の動向をにらんでの展開となりそうですが、短期的な過熱感があるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばすことになるのかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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