市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

今年最初の取引となった昨日の米国市場は反発 大発会の日本市場は順調なスタートか

NYダウ: 19881.76  △119.16 (1/3)
NASDAQ: 5429.08  △45.97 (1/3)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
先週末の米国市場は年内最終取引で持ち高調整の売りが出て3日続落となりました。上昇して始まったダウ平均は30ドル高余りで上値が伸び悩むとマイナスに転じ30ドル安余りまで売られました。その後一旦切り返したものの、前日終値を小幅に上回ったところで上値が押さえられると再び下落に転じ下げ幅を広げ取引終盤には100ドル安余りまで下落しました。引けにかけて持ち直したダウ平均ですが結局57ドル安の19,762ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント安の5,383ポイントとなっています。この結果2016年のダウ平均は年間で13.4%高となり2年ぶりにプラスとなったほか、ナスダック総合株価指数も年間で7.5%高となり5年連続での上昇となっています。
今年最初の取引となった昨日の米国市場はトランプ氏の大統領への就任を20日に控えるなか次期政権への期待や良好な経済指標を支えに4日ぶりの反発となりました。取引開始後まもなく175ドル高まで買われたダウ平均は一時55ドル台を付けていた原油先物価格が弱含んだこともあって上げ幅を縮めると小幅高での推移が続きましたが、引けにかけて持ち直し結局119ドル高の19,881ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も45ポイント高の5,429ポイントとなっています。

2.経済指標等
先週末に発表となった12月の米シカゴ購買部協会景気指数は54.6と前月から低下し市場予想を下回りました。
昨日に発表となった2016年12月の米ISM製造業景況感指数は54.7と前月から上昇し2014年12月以来の高水準となり市場予想を上回りました。また、2016年11月の米建設支出は前月比0.9%増の1兆1820億9700万ドルと2006年4月以来、10年7カ月ぶりの高水準となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
先週末の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち不動産と金融を除く9業種が下げました。なかでも情報技術と一般消費財・サービスが1%近く下落しています。
昨日の米国市場で業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が上げました。そのなかでも電気通信サービスやヘルスケア、エネルギーが1%を超える上昇となったほか、金融も1%近く上げています。

4.個別銘柄動向
先週末の米国市場では、iPhoneを1 割程度減産すると伝わったアップル(AAPL)が売られたほか、最高財務責任者(CFO)が辞任すると発表した石油・天然ガス大手のガルフポート・エナジー(GPOR)が小幅に下げました。一方で米食品医薬品局(FDA)から発達障害の一種である注意欠陥多動性障害治療薬の米国での販売の承認を受けたと発表した後発薬大手のマイラン(MYL)が買われました。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げ、ナイキ(NKE)とベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、メルク(MRK)の3銘柄が2%を超える上昇となり、ビザ(V)や投資判断の引き上げがあったウォルト・ディズニー(DIS)も2%近く上げています。一方でマクドナルド(MCD)とトラベラーズ(TRV)、ウォルマート・ストアーズ(WMT)、スリーエム(MMM)の4銘柄が下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、総額で50億ドル相当の特別配当を実施する計画を発表したトリビューン・メディア(TRCO)が買われたほか、保有資産を売却し株主に還元すると発表した石油のマラソン・オイル(MPC)が大幅高となっています。鉄道のカンザスシティー・サザン(KSU)はフォード(F)のメキシコでの工場新設撤回を受けて米国とメキシコ間での自動車輸送が減るとの懸念から大きく下げています。

5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.03%低い2.44%となりました。昨日の長期金利は変わらずの2.44%となっています。ドル円は3日のロンドン時間に118円台を付ける場面もありましたが、朝方は117円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
昨日の米国市場が反発したことや、ドル円が円安に振れていることから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。昨年は大発会で600円近い下げとなり波乱のスタートとなった日経平均も本年は順調な始まりとなりそうですが、こうしたなかで日経平均がこのところ頭を押さえられている5日移動平均線(昨年12月30日時点で19,292円)を上回るような展開となるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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