マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はアジアや欧州での株安の流れを受けて反落 日本市場はドル円に神経質な展開か
NYダウ: 19891.00 ▼63.28 (1/12)
NASDAQ: 5547.49 ▼16.16 (1/12)
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はアジアや欧州での株安の流れを受けて反落となりました。下落して始まったダウ平均は昼前に180ドル安余りまで売られましたが、押し目買いが入り切り返すと午後は一貫して下げ幅を縮める展開となりました。結局ダウ平均は63ドル安の19,891ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の5,547ポイントとなり8営業日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
2016年12月の米輸出入物価指数で輸入物価指数は前月比0.4%上昇し2カ月ぶりのプラスとなりましたが、市場予想は下回りました。輸出物価は0.3%上昇し、こちらは市場予想を上回っています。2016年12月の米財政収支の赤字額は前年同月比90.5%増の275億1600万ドルと3カ月連続の赤字となり市場予想を上回る赤字となりました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の24万7000件となったものの、市場予想ほどは悪化しませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財サービスなど7業種が下げました。一方で電気通信サービス、不動産など4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
投資判断引き下げを受けてウォルト・ディズニー(DIS)が2%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。一方で日本マクドナルドホールディングス(2702)株の一部売却を巡って来週までに条件を提示するよう求めていると伝わったマクドナルド(MCD)が1%高となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、今後1年半で米国の雇用を10万人以上増やすと表したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が買われたほか、最高経営責任者(CEO)がトランプ氏と会談したAT&T(T)も堅調でした。決算で1株利益が市場予想と一致したデルタ航空(DAL)は軟調となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.36%となりました。ドル円は欧州時間に113円台を付ける場面もありましたが、朝方は114円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
円高が一服となるなか、大幅下落の後ということもあって本日の日本市場は小幅に反発してのスタートが予想されます。日経平均は本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうですが、上値では25日移動平均線(昨日時点で19,192円)が意識されそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)