マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は円安で続伸か
NYダウ: 19804.72 ▼22.05 (1/18)
NASDAQ: 5555.65 △16.93 (1/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大統領の就任式を週末に控え様子見となるなか小幅に高安まちまちとなりました。下落して始まったダウ平均は90ドル安近くまで売られると一旦切り返しプラスとなる場面もみられましたが、前日終値を僅かに上回ったところで上値を押さえられるとその後は軟調な展開が続きました。結局ダウ平均は22ドル安の19,804ドルと4日続落となっています。一方でS&P500株価指数が4ポイント高の2,271ポイントと反発したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント高の5,555ポイントと反発しています。
2.経済指標等
2016年12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.1%上昇し市場予想と一致しています。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も2.2%上昇しこちらも市場予想と一致しました。12月の米鉱工業生産は前月比0.8%上昇し市場予想を上回りました。12月の米設備稼働率も75.5%となり市場予想を上回っています。一方で1月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は67となり市場予想を下回っています。米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は、米経済は大半の地域で引き続き緩慢なペースで拡大を続けたとの認識を示しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスやエネルギーなどの5業種が下げました。一方で金融や素材、資本財・サービスなどの6業種が上げています。
4.個別銘柄動向
昨年11-2月の販売が苦戦したことで業績見通しを引き下げたディスカウントストアのターゲット(TGT)が大幅安となりました。また、決算で1株利益が市場予想を上回ったシティグループ(C)とゴールドマン・サックス(GS)も利益確定の売りに押され下げています。原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)も軟調でした。一方で同業のコルシド・ファーマシューティカルズ(CLCD)を総額9億6000万ドルで買収すると発表した製薬のイーライ・リリー(LLY)が収益拡大を見込んだ買いで堅調でした。コルシド・ファーマシューティカルズは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。取引終了後に決算を発表した動画配信大手のネットフリックス(NFLX)は利用者の伸びが過去最高となったことから時間外で一段高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.11%高い2.43%となりました。ドル円はイエレンFRB議長が講演で2019年までは年2-3回の利上げが適当との認識を示したことで円安に振れました。朝方は114円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
114円台を付けている円安を受けて本日の日本市場は続伸でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の19,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)