市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場でダウ平均は20,000ドルの大台を回復 ナスダック総合株価指数は史上最高値を更新 日本市場は米国株高で上昇か

NYダウ: 20071.46  △186.55 (2/3)
NASDAQ: 5666.77  △30.57 (2/3)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場はトランプ米大統領が金融規制の見直しを指示する大統領令に署名したことや、米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を大きく上回ったことなどを好感し大幅高となりました。上昇して始まったダウ平均は取引開始後1時間半余りで190ドル高近くまで買われると、その後も高値圏で堅調に推移し取引終盤には200ドル高近くまで上げ幅を広げました。結局ダウ平均は186ドル高の20,071ドルと反発し20,000ドルの大台を5営業日ぶりに回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も30ポイント高の5,666ポイントと反発し5営業日ぶりに史上最高値を更新しています。

2.経済指標等
1月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月から22万7千人増え市場予想を大きく上回りましたが、一方で平均時給は前年同月比2.5%増と前月から伸びが鈍化し市場予想も下回りました。失業率は4.8%となり前月から0.1ポイント悪化しています。1月の米ISM非製造業景況感指数は56.5と前月から小幅に低下し改善を見込んでいた市場予想も下回りました。2016年12月の米製造業受注は前月比1.3%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融やエネルギー、資本財・サービスなど10業種が上昇し、金融は2%近く上げています。一方で一般消費財・サービスが下げています。

4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回ったビザ(V)が4%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、トランプ米大統領が金融規制の見直しを指示する大統領令に署名したことでゴールドマン・サックス(GS)も4%を上回る上昇となったほか、JPモルガン・チェース(JPM)も3%高となりました。アメリカン・エキスプレス(AXP)も2%高となり、ビザ、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレスの4銘柄でダウ平均を130ドル以上押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったバイオ医薬品のアムジェン(AMGN)も大きく上げています。一方、決算で売上高が市場予想を下回ったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が大幅安となっています。

5.為替・金利等
長期金利は米雇用統計が強弱入り混じる格好となったことで売り買いが交錯し0.01%低い2.46%となりました。ドル円は米雇用統計で平均時給の伸びが鈍化したことで利上げ観測が後退し112円台前半まで円高が進む場面もありました。朝方は112円台半ばで推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が20,000ドルの大台を回復したことから本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか引き続きドル円に神経質な展開となりそうで、本日も長期金利の動向に注目が集まりそうです。また、引け後にはトヨタ(7203)が決算を発表する予定でこちらも注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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