市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は9営業日連続で史上最高値を更新 日本市場は円高で軟調なスタートか

NYダウ: 20775.60  △32.60 (2/22)
NASDAQ: 5860.63  ▼5.32 (2/22)


<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。デュポン(DD)とスリーエム(MMM)の上昇が指数を押し上げたダウ平均は9営業日続伸となり史上最高値を更新したものの、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は3営業日ぶりの反落となりました。FOMC議事要旨の公表を控え様子見となるなか利益確定の売りが出て下落して始まったダウ平均ですが、しばらくしてプラスに転じるとその後は総じて小幅高での推移が続きました。結局ダウ平均は32ドル高の20,775ドルと9営業日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,362ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も5ポイント安の5,860ポイントとなっています。

2.経済指標等
1月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.3%増の569万戸と2カ月ぶりに増加し2007年2月以来の高水準となり市場予想を上回りました。連邦準備制度理事会(FRB)が公表した1月31日‐2月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者の多くが雇用とインフレをめぐる指標が予想通りに推移すれば追加利上げについて比較的早く実施するのが適切だとみていたことが分かりました。しかし、トランプ新政権の経済政策をめぐる先行き不透明感が強まっていることも示唆され、FRBの資産規模縮小についても今後数回の会合で始めるべきだとして今回は議論されませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や素材など6業種が上げました。一方で不動産やエネルギーなど5業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
化学大手のデュポンとダウ・ケミカル(DOW)との合併を欧州連合(EU)が近く承認するとの報道を受けてデュポンが3%以上上げたほか、ダウ・ケミカルも4%高となりともに最高値を付けました。デュポンはダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなり、1%以上上げたスリーエムと2銘柄でダウ平均を36ドル余り押し上げています。また、決算は減収減益ながら市場予想を上回ったことから住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)が大幅高となっています。米中古住宅販売件数が良好な結果となったことで同業のレナー(LEN)やDRホートン(DHI)も上げています。一方で旅行ウェブサイト大手のトリップアドバイザー(TRIP)とホテル料金比較サイトのトリバゴ(TRVG)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて下げています。

5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨がハト派的と受け止められ0.02%低い2.41%となりました。ドル円では円高が進み112円台を付ける場面もありました。朝方は113円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が円高となっていることから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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