マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は米FOMCの結果や原油高を受けて反発 日本市場は円高で続落か
NYダウ: 20950.10 △112.73 (3/15)
NASDAQ: 5900.05 △43.23 (3/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米FOMCで年内の利上げ回数の見通しが据え置かれ利上げペースが緩やかなものになるとの見方や、原油価格の上昇が好感され反発しました。米FOMCの結果発表を午後に控え小幅高で推移していたダウ平均ですが、FOMCの結果発表を受けて上げ幅を広げると一時は140ドル高まで買われる場面もありました。引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが、結局112ドル高の20,950ドルと3日ぶりに反発して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も43ポイント高の5,900ポイントと反発しています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の誘導目標を0.75-1.00%に0.25%引き上げることを決めました。一方で参加メンバーの2017年末の政策金利見通しの中央値は1.375%に据え置かれ、年内3回の利上げ見通しに変更はありませんでした。また、3月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数は16.4となり市場予想を上回りました。3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も71となり市場予想を上回っています。一方で2月の米小売売上高は前月比0.1%増となり市場予想と一致し、2月の米消費者物価指数(CPI)も前年同月比2.7%上昇し市場予想と一致しました。1月の米企業在庫も前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融を除く10業種が上げ、なかでもエネルギーが2%を超える上昇となったほか、不動産も2%近く上げました。そのほか公益事業、素材、電気通信サービス、ヘルスケア、資本財・サービスも1%以上上昇しています。
4.個別銘柄動向
目標株価の引き上げを受けてアップル(AAPL)が堅調でした。自動車部品大手のドイツのボッシュと自動運転について提携すると伝わった画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)も買われました。また、投資判断の引き上げを受けてガス開発大手のサウスウエスタン・エナジー(SWN)や、買収の交渉が進んでいると伝わった株価指数を開発・算出するMSCI(MSCI)が大幅高となっています。一方で著名アカウントの乗っ取りが発覚したツイッター(TWTR)が安く、投資判断の引き下げを受けてインテル(INTC)も下げています。
5.為替・金利等
長期金利はFRBが年内利上げ見通しを据え置いたことから0.11%低い2.49%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ113円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の19,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。オランダ議会選挙の結果も注目されますが、出口調査からはウィルダース党首率いる自由党の議席数は伸び悩むとみられており大きな波乱はなさそうです。また、昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果も発表となりますが、現状維持が見込まれておりマーケットへの影響は限定的となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)