マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はトランプ政権の政策運営に不透明感が強まるなか小幅に高安まちまち 日本市場は買い材料に乏しく反落か
NYダウ: 20596.72 ▼59.86 (3/24)
NASDAQ: 5828.74 △11.05 (3/24)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ政権の政策運営に不透明感が強まるなか小幅に高安まちまちとなりました。小幅に上昇して推移していたダウ平均ですが、上値が伸び悩んだことで徐々に上げ幅を縮めるなかオバマケア(医療保険制度改革法)代替法案の採決直前になってトランプ米大統領とライアン下院議長が会談中と報じられたことで代替法案の可決に不透明感が強まったとして下げ幅を広げ取引終盤に一時は126ドル安まで売られました。その後、代替法案の採決が見送られると伝わるとダウ平均は、代替法案を成立させなければ税制改革を優先させるとのトランプ大統領の発言が伝わっていたこともあり、医療保険以外の経済政策などは進展が期待できるとの見方もあって引けにかけて急速に持ち直しました。しかし、前日終値の手前で上値を押さえられたダウ平均は結局59ドル安の20,596ドルと7日続落で取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,343ポイントと続落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は11ポイント高の5,828ポイントとなっています。
2.経済指標等
2月の米耐久財受注額は前月比1.7%増となり市場予想を上回りましたが、民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は前月比0.1%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回っています。また、3月の米製造業PMI速報値も53.4となり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やエネルギー、資本財・サービスなど7業種が下げ、素材は1%近い下落となりました。一方で公益事業、一般消費財・サービスなどの4業種が上げています
4.個別銘柄動向
決算が大幅な増収で、最終損益も黒字に転じた半導体大手のマイクロン・テクノロジー(MU)が大幅高となりました。また、企業のマーケティング担当者やジャーナリストなどを対象とした有料のプレミアムサービス導入を検討していると明らかにしたツイッター(TWTR)や、決算で1株利益が市場予想を上回った住宅建設大手のKBホーム(KBH)が堅調でした。一方で決算が最終赤字となり、1株利益が市場予想を下回ったスポーツ用品のフィニッシュライン(FINL)や、決算で既存店売上高が大幅に減ったゲーム専門店のゲームストップ(GME)が急落しています。百貨店のメーシーズ(M)も投資判断と目標株価の引き下げを受けて小幅に下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.41%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は買い材料に乏しいなか、先週末に日経平均が180円近く上昇した後ということもあって反落でのスタートが予想されます。ドル円が110円台後半を付け円高に振れていることから本日も為替の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)