マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は地政学リスクが意識され続落 日本市場は米国株安と円高で続落か
NYダウ: 20591.86 ▼59.44 (4/12)
NASDAQ: 5836.16 ▼30.61 (4/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は引き続き地政学リスクが意識され続落となりました。一時は100ドル安まで売られるなど一日を通して軟調な展開が続いたダウ平均は59ドル安の20,591ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も30ポイント安の5,836ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米輸入物価指数は前月比0.2%低下し市場予想と一致しました。米輸出物価指数は同0.2%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや素材、金融、一般消費財・サービスなどの7業種が下げ、資本財・サービスと素材は1%を超える下落となりました。一方で公益事業や電気通信サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
著名投資家が率いるファンドから取締役の選任を要求されたゼネラル・モーターズ(GM)や、アマゾン・ドット・コム(AMZN)が買収を検討していたと報じられた高級スーパーのホール・フーズ・マーケット(WFM)が堅調でした。また、半導体大手のクアルコム(QCOM)に対して特許料を支払いすぎていたとする訴えに対しクアルコムから約8億ドルの払い戻しを受け取るとの調停判断が下されたことを好感してカナダのブラックベリー(BBRY)が急伸しました。クアルコムは大幅安となっています。ホームセンターのトラクター・サプライ(TSCO)も業績の見通しが市場予想を下回ったことで目標株価の引き下げが相次ぎ急落しています。
5.為替・金利等
長期金利はトランプ米大統領が米紙とのインタビューで金融政策について「低金利が好ましい」と述べたと伝わり0.05%低い2.24%となりました。ドル円はトランプ米大統領が「ドルは強すぎる」と述べたと伝わり一時は108円台後半まで円高が進みました。朝方は109円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加えて一段と円高となっていることから本日の日本市場は続落でのスタートが予想されます。本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうで、日経平均は節目の18,500円を下回り昨日に続いて年初来安値を更新しそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)