マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は地政学リスクが意識され3日続落 ダウ平均は138ドル安と三桁の下げ 日本市場は米国株安で続落か
NYダウ: 20453.25 ▼138.61 (4/13)
NASDAQ: 5805.15 ▼31.01 (4/13)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は地政学リスクが意識され3日続落となりました。午前中は前日終値を挟んで小幅に揉み合ったダウ平均ですが、米軍がアフガニスタンに潜伏する過激派組織「イスラム国」(IS)に対して大規模爆風爆弾兵器(MOAB)と呼ばれる強力な爆弾を使用した空爆を行ったと伝わると地政学リスクが意識され午後には下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は138ドル安の20,453ドルと安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も31ポイント安の5,805ポイントとなりました。
2.経済指標等
3月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し7カ月ぶりのマイナスとなり市場予想も下回りました。一方で4月のミシガン大学米消費者態度指数速報値は98.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1000件減の23万4000件となり増加を見込んでいた市場予想を下回って改善しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーと金融が1%を超える下落となったほか、素材も1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はビザ(V)とウォルト・ディズニー(DIS)を除く28銘柄が下げました。なかでもシェブロン(CVX)が2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなったほか、キャタピラー(CAT)も2%近く下げています。また、決算が市場予想を上回ったことで買いが先行したJPモルガン・チェース(JPM)も長期金利の低下などを受けて下げて取引を終えています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が減収で市場予想も下回ったウェルズ・ファーゴ(WFC)が大幅安となりました。一方で9月にも大型トラックを発表すると明らかにした電気自動車のテスラモーターズ(TSLA)が買われています。
5.為替・金利等
聖金曜日の前営業日で債券市場が短縮取引となるなか、長期金利は地政学リスクが意識され0.01%低い2.23%となりました。ドル円は109円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は地政学リスクが意識されるなか米国株安を受けて続落でのスタートが予想されます。こうしたなかやや円安となっているドル円を支えに日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)