マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は冴えない企業決算が重石となり反落 日本市場は米国株安と円高で反落か
NYダウ: 20523.28 ▼113.64 (4/18)
NASDAQ: 5849.47 ▼7.32 (4/18)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は冴えない企業決算が重石となり反落となりました。英国のメイ首相がEU離脱推進に向け総選挙を前倒しして6月8日に実施すると表明したことで欧州の主要な株価指数が軒並み下落したことを受けてダウ平均は下げて始まると昼過ぎに174ドル安まで売られました。その後持ち直し下げ幅を90ドル安程度まで縮める場面もみられたダウ平均ですが、上値は重く結局113ドル安の20,523ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も7ポイント安の5,849ポイントとなっています。
2.経済指標等
3月の米住宅着工件数は年率換算で前月比6.8%減の121万5千戸と2カ月ぶりに減少し市場予想も下回りました。3月の米鉱工業生産は前月比0.5%上昇し2カ月連続のプラスとなり市場予想を上回りました。3月の米設備稼働率は前月比0.4%上昇の76.1%となったものの、市場予想は下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケア、エネルギー、金融などの6業種が下げ、ヘルスケアは1%安となっています。一方で生活必需品、不動産、電気通信サービスなどの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
大幅増益ながら1株利益が市場予想を下回ったゴールドマン・サックス(GS)が4%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、売上高が市場予想に届かなかったジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%以上下落し、ゴールドマン・サックスとジョンソン・エンド・ジョンソンの2銘柄で100ドル近くダウ平均を押し下げています。一方で通期の利益見通しを引き上げた医療保険のユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が堅調でした。ダウ平均構成銘柄以外では、北米やアジアでバイク販売が落ち込んだハーレーダビッドソン(HOG)が大幅安となったほか、医療機器のメドトロニックの一部事業の買収を発表した医療サービスのカーディナル・ヘルス(CAH)が財務負担を懸念した売りで急落しています。ガラス大手のコーニング(GLW)はベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)と10億5000万ドルで3年間の光ファイバー供給契約を結んだと発表し上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.08%低い2.17%となりました。ドル円はやや円高となり108円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安と円高を受けて本日の日本市場は反落でのスタートが予想されます。テクニカル的に売られすぎも意識されるなか、日経平均が下げ渋る展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)