マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は前日に続いて三桁の下げ 日本市場は軟調なスタートか
NYダウ: 20404.49 ▼118.79 (4/19)
NASDAQ: 5863.03 △13.56 (4/19)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。冴えない決算や原油安が重石となったダウ平均とS&P500株価指数は続落となったものの、ナスダック総合株価指数は小幅に反発しました。朝方は小幅に上昇する場面もみられたダウ平均ですが、しばらくして売りが優勢になるとその後は下げ幅を広げる展開となり取引終盤には143ドル安まで売られました。引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが、結局118ドル安の20,404ドルと前日に続いて三桁の下げで取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント安の2,338ポイントと小幅に下げています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は13ポイント高の5,863ポイントとなっています。
2.経済指標等
米連邦準備制度理事会(FRB)は米地区連銀経済報告(ベージュブック)で全12地区の経済活動に関し、緩やかと穏やかの割合が均等になる形で拡大したと総括し、前回から判断をおおむね据え置きました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや公益事業、生活必需品などの7業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方でヘルスケアや資本財・サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
1-3月期決算が20四半期連続の減収となったIBM(IBM)が5%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。IBMだけでダウ平均を60ドル近く押し下げています。また、原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)も売られました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高が市場予想に届かなかった運用大手のブラックロック(BLK)が軟調でした。一方で決算が市場予想を上回る増収増益となったモルガン・スタンレー(MS)が上げています。さらに決算が市場予想を上回った医療機器メーカーのインテュイティブ・サージカル(ISRG)も大幅高となっています。なお、取引終了後に決算を発表した半導体大手のクアルコム(QCOM)は1株利益が市場予想を上回り時間外で買われています。同じく取引終了後に決算を発表した電子商取引大手のイーベイ(EBAY)は第2四半期の1株利益の見通しが市場予想を下回り時間外で売られています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.21%となりました。ドル円は108円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
ダウ平均が三桁の下げとなったこともあって本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。しかし、円高が一服していることもあって下値は限定的となりそうで、本日も方向感に乏しい展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)