マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ナスダック指数は連日で史上最高値を更新 日本市場は円高で反落か
NYダウ: 20979.75 ▼2.19 (5/16)
NASDAQ: 6169.87 △20.20 (5/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米大統領のロシアへの機密情報漏えい問題を受けての政治的な不透明感が上値を押さえるなか小幅に高安まちまちとなりました。上昇して始まったダウ平均はしばらくして50ドル高余りまで買われましたが、上値が伸び悩んだことでマイナスに転じ50ドル安近くまで下落しました。下げ渋るとその後前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となったダウ平均は結局2ドル安の20,979ドルと反落して取引を終えています。また、S&P500株価指数も1ポイント安の2,400ポイントと反落しています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は20ポイント高の6,169ポイントと3日続伸となり、前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
4月の米住宅着工件数は年率換算で前月比2.6%減の117万2千戸と2カ月連続で減少し市場予想も下回りました。一方で4月の米鉱工業生産は前月比1.0%上昇し2014年2月以来の高い伸びとなり市場予想を上回りました。4月の米設備稼働率も前月比0.6ポイント上昇の76.7%となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、不動産などの9業種が下げました。一方で情報技術と金融の2業種が上げています。
4.個別銘柄動向
インテル(INTC)に画像用半導体のライセンスを供与すると伝わった半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が急伸しました。また、決算が市場予想を上回ったホームセンター大手のホーム・デポ(HD)が堅調で52週高値を更新しています。一方、決算で最終損益が赤字となった文具・オフィス用品量販大手のステープルズ(SPLS)や、既存店売上高が市場予想に届かなかったディスカウントストアのTJX(TJX)が大幅安となったほか、最高経営責任者(CEO)の退任が明らかとなった税務サービスのH&Rブロック(HRB)も大きく下げています。投資判断の引き下げを受けてファイザー(PFE)も下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は冴えない住宅関連の指標を受けて0.02%低い2.32%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が円高に振れていることから反落でのスタートが予想されます。東証1部の騰落レシオが145%を付けるなど短期的な過熱感が意識されるなか日経平均が本日も下げ渋るかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)