マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は5日続伸 ダウ平均は21,000ドル台を回復 S&P500は史上最高値を更新 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 21012.42 △74.51 (5/24)
NASDAQ: 6163.02 △24.31 (5/24)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は5日続伸となりました。上昇して始まり小幅高で推移していたダウ平均はFOMC議事要旨の発表を受けて、連邦準備制度理事会(FRB)が追加利上げや資産規模の縮小を慎重に進めるとの見方が強まり一段高となりました。節目の21,000ドルを回復し取引終了間際に一時84ドル高まで買われる場面もあったダウ平均は結局74ドル高の21,012ドルで取引を終えています。ダウ平均が終値で21,000ドル台を回復するのは5月8日以来となります。また、S&P500株価指数も5ポイント高の2,404ポイントとなり5月15日に付けた史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も24ポイント高の6,163ポイントとなっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者が最近の景気減速は一時的との認識でほぼ一致する一方で、その証拠となる指標を待つことが賢明と判断していたことが明らかとなりました。また、4月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比2.3%減の557万戸と2ヵ月ぶりに減少し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や公益事業、不動産などの8業種が上げました。一方で電気通信サービスとエネルギー、金融の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ソフトバンクグループ(9984)がサウジアラビアなどと共同で発足させた10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が株式を保有する方針で、すでにソフトバンクグループが4000億円相当の株式を取得していたことが明らかとなった画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が堅調でした。また、決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったうえ、通期の業績見通しも上方修正した会計ソフト大手のイントゥイット(INTU)が大幅高となり上場来高値を更新しています。決算が市場予想を上回る増収増益だった収納容器量販店のコンテイナー・ストア・グループ(TCS)も急伸しています。一方、決算で既存店売上高が市場予想に反してマイナスとなったティファニー(TIF)が急落しています。決算で売上高や1株利益が市場予想を下回ったホームセンター大手のロウズ(LOW)も大幅安となっています。さらに決算が減収減益だった自動車用品店のアドバンス・オート・パーツ(AAP)も大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨を受けて前日比0.03%低い2.25%となりました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ111円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が続伸となった一方で、ドル円がやや円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均はドル円をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)