マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は金融株や石油株に売りが出て下落 日本株も米国株安で軟調な展開か
NYダウ: 21029.47 ▼50.81 (5/30)
NASDAQ: 6203.19 ▼7.01 (5/30)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は金利低下を受けて金融株に売りが出たことや、原油安で石油株が軟調となったことで下落しました。一時70ドル安まで売られるなど一日を通して軟調に推移したダウ平均は50ドル安の21,029ドルと続落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も7ポイント安の6,203ポイントとなり8日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
4月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.5%上昇し市場予想と一致しています。4月の米個人所得も前月比0.4%増となり市場予想と一致しました。また、3月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比5.9%上昇し市場予想を上回りました。 一方で5月のコンファレンス・ボード米消費者信頼感指数は117.9と前月から低下し市場予想も下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや金融、不動産などの7業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。一方で電気通信サービスや公益事業などの4業種が上げ、電気通信サービスは1%を上回る上昇となっています。
4.個別銘柄動向
金利低下を受けてゴールドマン・サックス(GM)やJPモルガン・チェース(JPM)といった金融株が売られ、ゴールドマン・サックスは約2%下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。原油価格の下落を嫌気してシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)といった石油株も軟調でした。一方でベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)が2%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外ではアマゾン・ドット・コム(AMZN)が堅調で、一時1,000ドルの大台を初めて上回る場面がみられました。また、5億6400万ドルで身売りすると発表したクラウドソフトのエグザクトリー(XTLY)が買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。英エンスコ(ESV)への身売りを発表した海洋掘削のアトウッド・オセアニクス(ATW)も急伸しました。
5.為替・金利等
長期金利は物価指標の伸び悩みを受けて0.03%低い2.21%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円も引き続き110円台後半で推移していることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ幅を広げる展開となった場合には、昨日同様に25日移動平均線(昨日時点で19,567円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)