マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は金融株に売りが出て小幅に続落 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 21008.65 ▼20.82 (5/31)
NASDAQ: 6198.52 ▼4.67 (5/31)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はJPモルガン・チェース(JPM)とバンク・オブ・アメリカ(BAC)の経営幹部のトレーディング収入が落ち込んでいるとの発言を受けて金融株に売りが出て小幅に続落となりました。上昇して始まったダウ平均ですが直ぐにマイナスに転じると86ドル安まで下落しました。その後持ち直したダウ平均ですが引き続き軟調に推移し結局20ドル安の21,008ドルと3日続落で取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も4ポイント安の6,198ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
5月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)は59.4と前月から上昇し市場予想も上回りました。一方で4月の中古住宅販売仮契約指数は前月比1.3%低下の109.8となり上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。 また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は、大半の地区で経済が緩慢、または緩やかなペースで拡大したとの認識を示しました。しかし、一部地域ではやや緩慢なペースに減速したとしています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、電気通信サービスなどの7業種が上げました。一方で金融やエネルギーなどの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
4-6月期のトレーディング収入が低迷しているとの経営幹部の発言を受けてJPモルガン・チェースが2%安となったほか、バンク・オブ・アメリカも2%近く下げました。他の金融株にも売りが波及するなかゴールドマン・サックス(GS)も3%を超える下げとなり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの2銘柄でダウ平均を60ドル程度押し下げています。また、原油価格の下落を嫌気してエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)も軟調でした。さらに決算で既存店の販売が落ち込んだうえ、売上高の見通しも市場予想に届かなかった高級服飾のマイケル・コース・ホールディングス(KORS)が急落しています。一方、決算で1株利益が市場予想を上回ったアイルランドの製薬会社ペリゴ(PRGO)が大幅高となっています。決算が大幅な増収で市場予想も上回った半導体のアナログ・デバイセズ(ADI)も堅調でした。7月に生産を開始する予定の「モデル3」への期待から電気自動車のテスラモーターズ(TSLA)も買われ上場来高値を付けています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.20%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株やドル円に大きな動きがなかったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。ドル円が引き続き110円台後半で推移するなど買い材料に乏しいなか日経平均は上値の重い展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)