マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は前FBI長官の議会証言の草稿公開を受けて反発 日本市場はやや買い優勢でのスタートか
NYダウ: 21173.69 △37.46 (6/7)
NASDAQ: 6297.38 △22.32 (6/7)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は8日に予定されているコミー前FBI長官の議会証言の草稿が事前に公開され、その内容がこれまでの報道の範囲内だったことが買い安心感につながり3日ぶりに反発しました。上昇して始まったダウ平均は50ドル高程度で上値を押さえられると上げ幅を縮めマイナスとなり昼過ぎに20ドル安余りまで売られましたが、コミー前FBI長官の議会証言の草稿が公開されると持ち直し再びプラスに転じました。取引終盤に50ドル高余りまで買われたダウ平均は、コミー前FBI長官の議会証言を見極めたいとして引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局37ドル高の21,173ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント高の6,297ポイントとなっています。
2.経済指標等
4月の米消費者信用残高は前月比82億ドル増の3兆8210億ドルとなったものの、市場予想は下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や不動産、公益事業、ヘルスケアなどの8業種が上げました。一方でエネルギーと資本財・サービス、生活必需品の3業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
不採算店舗を追加閉鎖すると伝わった総合小売りのシアーズ・ホールディングス(SHLD)が大幅高となりました。また、飲料のドクター・ペッパー・スナップル・グループ(DPS)が投資判断の引き上げを受けて堅調でした。一方で投資判断の引き下げを嫌気してコカ・コーラ(KO)が1%安となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。百貨店のメーシーズ(M)も投資判断の引き下げが相次いだことで下げています。さらに説明会で示した収益見通しが失望となりビール大手のモルソン・クアーズ・ブリューイング(TAP)が大幅安となったほか、決算で示した5-7月期の売上高見通しが市場予想を下回った高解像度ビデオ処理用半導体メーカーのアンバレラ(AMBA)も急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.17%となりました。ドル円は円安に振れ109円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高に加え、ドル円も円安となっていることから本日の日本市場はやや買い優勢でスタートしそうです。しかし、コミー前FBI長官の議会証言や英国総選挙、ECB定例理事会などの重要イベントを控え様子見となりやすいことから上値の重い展開が予想されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)