マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は連日で史上最高値更新 日本市場は円高で続落のスタートか
NYダウ: 21374.56 △46.09 (6/14)
NASDAQ: 6194.89 ▼25.48 (6/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果への反応が限定的なものに止まるなか小幅に高安まちまちとなりました。FOMCの結果発表を控え取引開始から小動きで方向感に欠ける展開が続いたダウ平均は、FOMCの結果発表を受けて30ドル安余りまで売られる場面もありましたが、その後引けにかけて持ち直すと46ドル高の21,374ドルと続伸し、前日に続いて史上最高値を更新して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,437ポイントと反落したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も25ポイント安の6,194ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)はFOMCで政策金利を市場の予想通り0.25%引き上げました。参加者の政策金利の見通し(中央値)に変更はなく、利上げペースは2017年にあと1回、2018年に3回となっています。バランスシート縮小については今年中に始めるとし、当初は米国債を月60億ドル、政府機関債と住宅ローン担保証券(MBS)を合計で月40億ドル減らし、これを米国債は3カ月ごとに60億ドルずつ引き上げ、1年以上かけて300億ドルに、政府機関債とMBSは40億ドルずつ引き上げ、200億ドルにするとしています。5月の米小売売上高は前月比0.3%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。また、5月の米消費者物価指数(CPI)も前年同月比1.9%上昇となり市場予想を下回りました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数も1.7%上昇となり市場予想を下回っています。4月の米企業在庫は前月比0.2%減となり市場予想と一致しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や公益事業、ヘルスケアなどの6業種が上げました。一方でエネルギーや素材、情報技術などの5業種が下げ、エネルギーは2%近い下落となっています。
4.個別銘柄動向
決算が増収増益となった税務申告代行サービスのH&Rブロック(HRB)が大幅高となったほか、防衛事業などの再編を発表したボーイング(BA)が経営効率化を期待した買いから堅調でした。また、バイオジェン(BIIB)から最高財務責任者(CFO)を迎えると発表したバイオ製薬のアレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)が急伸しました。一方でバイオジェンは大幅安となっています。ウルヴァリン・バンコープ(WBKC)を買収すると発表した地銀のホライゾン・バンコープ(HBNC)も財務負担を懸念した売りで大幅安となっています。ウルヴァリン・バンコープは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。子会社の連邦破産法第11条(日本の民事再生法に相当)を申請した電力大手NRGエナジー(NRG)も売られました。
5.為替・金利等
長期金利は0.09%低い2.12%となりました。ドル円は米小売売上高や米CPIが市場予想を下回ったことで108円台後半まで円高が進む場面もありましたが、朝方は109円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が円高に振れていることから続落でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は25日移動平均線(昨日時点で19,837円)が本日もサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)