マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は主力ハイテク株に売りが出て小幅に下落 日本市場は円安で反発か 昼ごろには日銀の金融政策決定会合の結果が発表に
NYダウ: 21359.90 ▼14.66 (6/15)
NASDAQ: 6165.50 ▼29.39 (6/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は主力ハイテク株に売りが出て小幅に下落しました。取引開始後しばらくして110ドル安余りまで売られたダウ平均ですが、その後ハイテク株に買い戻しが入り下げ幅を縮め結局14ドル安の21,359ドルと3日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も29ポイント安の6,165ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
5月の米輸入物価指数は前月比0.3%下落し市場予想も下回りました。米輸出物価指数も前月比0.7%下落し市場予想を下回っています。6月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も67となり市場予想を下回っています。5月の米鉱工業生産も前月比横ばいで市場予想を下回りました。5月の米設備稼働率は前月比0.1ポイント低下の76.6%となっています。一方で6月のニューヨーク連銀製造業景況指数は19.8と2014年9月以来の高水準となり市場予想を上回りました。 6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も27.6となり市場予想を上回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比8000件減の23万7000件となり市場予想を上回る改善となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材やエネルギー、情報技術などの7業種が下げました。一方で公益事業や資本財・サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
投資判断の引き下げを受けてグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)が売られたほか、アップル(AAPL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブック(FB)、ネットフリックス(NFLX)なども下げています。また、決算が大幅減益となり通期の利益見通しを引き下げた食品スーパーのクローガー(KR)が急落しています。減配を発表した玩具大手のマテル(MAT)も大きく下げています。リストラを発表したナイキ(NKE)も大幅安となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。一方で目標株価の引き上げを受けてボーイング(BA)が堅調でした。
5.為替・金利等
長期金利は製造業の景況感を示す経済指標が市場予想を上回ったことで0.04%高い2.16%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は下落となったものの、ドル円が円安となっていることから本日の日本市場は反発でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が5日移動平均線(昨日時点で19,907円)を引けで上回れるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表されます。金融政策に変更はないとみられますが、引け後の会見で黒田総裁から異次元緩和の出口論について言及があるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)