マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は5日ぶりに反発 日本市場は円安で堅調なスタートか
NYダウ: 21409.55 △14.79 (6/26)
NASDAQ: 6247.15 ▼18.10 (6/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は金融や公益株の上昇が相場を支えた一方で、ハイテク株の一角が売られたことが重石となり小幅に高安まちまちとなりました。上昇して始まったダウ平均はしばらくして110ドル高余りまで買われましたが、買いが続かず上げ幅を一気に縮めるとマイナスに転じました。大きく下落することなく下げ渋ったことで昼前に持ち直したダウ平均は、その後小幅高で推移すると結局14ドル高の21,409ドルと5日ぶりに反発して取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.7ポイント高の2,439ポイントと続伸となっています。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は18ポイント安の6,247ポイントと4日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
5月の米耐久財受注額は前月比1.1%減となり市場予想も下回りました。設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注も0.2%減となりこちらも市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、金融などの7業種が上げました。一方で情報技術やエネルギーなどの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
イタリア政府が経営危機に陥っていた中小2銀行の破綻処理を決めたことで欧州の金融株が買われた流れを受けて米国市場でもゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)などの金融株が買われ、ゴールドマン・サックスは目標株価の引き上げもあってダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。一方で利益確定の売りが出てボーイング(BA)が売られ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。また、マイクロソフト(MSFT)やインテル(INTC)、アップル(AAPL)といったハイテク株も軟調でした。ダウ平均構成銘柄以外では、自動運転でグーグルの持ち株会社のアルファベット(GOOGL)との提携を発表したレンタカーのエイビス・バジェット・グループ(CAR)が急伸したほか、アップルに自動運転の実証実験用に乗用車を貸し出すと伝わったレンタカーのハーツ・グローバル(HTZ)も急伸しています。アルミ製品大手のアルコニック(ARNC)はロンドンのタワーマンション火災の原因とされる燃えやすい外装材が同社製だったと伝わったことで大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.13%となりました。ドル円は円安に振れ111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場はドル円が円安となっていることから堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が20日に付けた年初来高値(20,230円)を試すような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)