マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は小幅に高安まちまち 日本市場は寄り付き前に発表される日銀短観に注目
NYダウ: 21349.63 △62.60 (6/30)
NASDAQ: 6140.42 ▼3.93 (6/30)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ナイキ(NKE)の急伸やエネルギー関連株の上昇もあってダウ平均とS&P500株価指数は反発したものの、ナスダック総合株価指数は続落となりました。上昇して始まったダウ平均は120ドル高近くまで買われるとその後一旦上値が伸び悩み昼前に40ドル高程度まで上げ幅を縮める場面もありましたが、午後に再び上げ幅を広げると取引終盤には140ドル高近くまで上昇しました。引けにかけて急速に上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局62ドル高の21,349ドルと反発して取引を終えています。また、S&P500株価指数も3ポイント高の2,423ポイントと反発しています。一方で主力ハイテク株が高安まちまちとなるなかハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント安の6,140ポイントと続落となりました。
2.経済指標等
5月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータも前年同月比1.4%上昇し前月から伸びが鈍化したものの、市場予想と一致しています。また、5月の米個人所得は前月比0.4%増となり市場予想を上回っています。6月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)も65.7と前月から上昇し市場予想も上回りました。6月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は95.1と前月から低下しましたが、市場予想は上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや一般消費財・サービス、素材などの6業種が上げました。一方で公益事業や情報技術などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ナイキが11%近く上げ急伸しました。決算で1株利益が市場予想を上回ったうえ、アマゾン・ドット・コム(AMZN)の通販サイトで試験的に限定製品を販売すると発表したことも好感され、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。また、原油価格の上昇を受けてエネルギー関連株が幅広く買われるなか鉱山機械を製造するキャタピラー(CAT)も2%近く上げ、ナイキとキャタピラーの2銘柄でダウ平均を50ドル以上押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、物言う投資家が約10%の株式保有を明らかにしたオーガニック製品のヘイン・セレスティアル・グループ(HAIN)が急伸しています。一方で5-7月期の業績が予想を下回るとの見通しを明らかにした火器メーカーのアメリカン・アウトドア・ブランズ(AOBC)が大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%高い2.30%となりました。ドル円はやや円安となり112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
先週末の米国市場でダウ平均が反発しドル円もやや円安となっているものの、昨日の東京都議選で自民党が大敗したことが重石となり本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均が20,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は取引開始前の8時50分に日銀短観が発表される予定で、改善が期待されていることもあって注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)