マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMC議事要旨への反応も限定的でほぼ横ばい 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 21478.17 ▼1.10 (7/5)
NASDAQ: 6150.86 △40.80 (7/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は原油価格の下落を受けてエネルギー関連株が売られ重石となる一方で、ハイテク株に買い戻しが入り相場を支えるなか小幅に高安まちまちとなり、ほぼ横ばいとなりました。ダウ平均は午前中に75ドル安近くまで売られる場面もありましたが、持ち直すと昼過ぎにはプラスに転じました。その後、前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開となったダウ平均はFOMC議事要旨への反応も限定的で結局1ドル安の21,478ドルと3日ぶりに反落して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が3ポイント高の2,432ポイントと3日続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント高の6,150ポイントと4日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
5月の米製造業受注は前月比0.8%減と2カ月連続のマイナスとなり市場予想も下回りました。民間設備投資の先行指標となる資本財から国防関連と航空機を除いたコア資本財の受注は0.2%増となっています。6月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、保有資産の縮小について2-3カ月内に開始を表明するのが望ましいとの意見がある一方で、年内の遅い時期まで待つべきとの意見もあるなど、参加者の間で開始時期を巡り分かれていることが分かり、保有資産の縮小の開始時期についての明確な手掛かりを得ることはできませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや不動産、素材など7業種が下げ、エネルギーが2%安となったほか、不動産も1%を超える下落となっています。一方で情報技術やヘルスケアなどの4業種が上げ、情報技術は1%高となっています。
4.個別銘柄動向
米国半導体工業会が発表した5月の半導体売上高が6年8カ月ぶりの高い伸びとなったことで半導体関連株が買われ、インテル(INTC)が2%を超える上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)や中国のインターネット検索最大手のバイドゥ(BIDU)と包括的に提携すると発表した画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)も買われ、アドバンスト・マイクロ・デバイセズは急伸しています。そのほかフェイスブック(FB)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)、アップル(AAPL)、ネットフリックス(NFLX)、グーグルの持ち株会社アルファベット(GOOGL)などのハイテク株も堅調でした。一方で原油価格の下落を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)が下げています。さらに4-6月期の既存店売上高の伸び率が会社予想を下回った自動車用品店のオライリー・オートモティブ(ORLY)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%低い2.32%となりました。ドル円は引き続き113円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株やドル円など外部環境に大きな動きがみられなかったことから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は材料難で方向感に乏しい展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)