マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は主要3指数が揃って史上最高値を更新 日本市場は日銀の金融政策決定会合の結果に注目
NYダウ: 21640.75 △66.02 (7/19)
NASDAQ: 6385.04 △40.74 (7/19)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は本格化している決算への期待や原油高を受けて上昇し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。一日を通してじりじりと上げ幅を広げる展開となったダウ平均は66ドル高の21,640ドルと高値引けとなり14日に付けた史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も13ポイント高の2,473ポイントと高値引けとなり前日に続いて史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント高の6,385ポイントと9日続伸となり連日で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
6月の米住宅着工件数は年率換算で前月比8.3%増の121万5000戸となり市場予想も上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーと素材が1%を超える上昇となり、情報技術はITバブル時の2000年3月に付けた史上最高値を更新しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が上げ、デュポン(DD)、ボーイング(BA)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、シスコシステムズ(CSCO)、ウォルト・ディズニー(DIS)の5銘柄が1%を超える上昇となりました。また、原油高を受けてシェブロン(CVX)やエクソンモービル(XOM)も堅調でした。一方、決算で売上高が21四半期連続の減収となったIBM(IBM)が4%を超える下落となり、1銘柄でダウ平均を40ドル以上押し下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が増収増益で1株利益も市場予想を上回ったモルガン・スタンレー(MS)が大きく上げたほか、臨床試験の好結果を受けてバイオ医薬のバーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)が急伸しています。信託銀行大手のノーザン・トラスト(NTRS)は決算で売上高と1株利益が市場予想に届かなかったことで急落しています。7-9月期の有効座席マイル当たりの旅客収入で低調な見通しを示した航空大手のユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス(UAL)も大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.27%となりました。ドル円は111円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高の一方でドル円が円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場も小動きでのスタートが予想されます。本日もドル円の動向をにらみながらとなりそうですが、こうしたなかで日経平均が20,000円の節目を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は昼ごろに日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。金融政策は現状維持が見込まれていますが、経済成長率の見通しを引き上げる一方で物価見通しを引き下げるとみられており注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)