マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は主要3指数が揃って史上最高値を更新 日本市場は円高で売り優勢のスタートか
NYダウ: 21711.01 △97.58 (7/26)
NASDAQ: 6422.75 △10.57 (7/26)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はボーイング(BA)の好決算を好感して上昇し主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。ダウ平均は取引開始後しばらくして130ドル高近くまで買われた後上げ幅を縮めたものの結局97ドル高の21,711ドルと続伸し、19日に付けた史上最高値を一週間ぶりに更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.7ポイント高の2,477ポイントと続伸し前日に続いて史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も10ポイント高の6,422ポイントとなり3日連続で史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決めた。声明文では年内としていた保有資産の縮小を始める時期を比較的早期へと修正し9月会合で縮小開始を決める可能性を示唆しました。インフレについてはコア物価上昇率も低下しているとしやや弱気の認識を示しています。また、6月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比0.8%増の61万戸と2ヵ月連続で増加しましたが市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや公益事業、不動産などの7業種が上げ、電気通信サービスは3%近く上昇しました。一方で素材や金融などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算は減収だったものの費用削減で利益率が大きく改善し、通期の業績予想を上方修正したボーイング(BA)が10%近く上昇し、ダウ平均を1銘柄で140ドル以上押し上げました。決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったコカ・コーラ(KO)も1%を超える上昇となっています。また、決算で売上高が市場予想を上回る増収となった半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も大幅高となったほか、決算を好感してテキサス・インスツルメンツ(TXN)も堅調でした。一方で決算は増収増益だったものの従来予想を下回る通期の利益の見通しを示したフォード(F)が軟調でした。
5.為替・金利等
長期金利はFRBがFOMC後の声明文でやや弱気の物価認識を示したことから0.05%低い2.28%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ111円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したものの、ドル円が円高に振れていることから本日の日本市場は売り優勢でのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が引き続き節目の20,000円近辺で底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)