マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は史上最高値を更新 日本市場は軟調なスタートか
NYダウ: 21796.55 △85.54 (7/27)
NASDAQ: 6382.19 ▼40.56 (7/27)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)などの好決算を好感してダウ平均は3日続伸となり史上最高値を更新したものの、主力ハイテク株が売られたことでS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は反落となりました。取引開始直後に80ドル高程度まで上昇したダウ平均はその後しばらく高値圏で揉み合いましたが、昼過ぎから上げ幅を縮めるとマイナスに転じ20ドル安余りまで売られる場面もありました。その後持ち直したダウ平均は引けにかけて上げ幅を広げ結局85ドル高の21,796ドルと高値圏で取引を終え、前日に続いて史上最高値を更新しています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,475ポイントと3日ぶりの反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント安の6,382ポイントと4日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
6月の米耐久財受注額は前月比6.5%増と3カ月ぶりのプラスとなり市場予想も上回りました。しかし、民間設備投資の先行指標となる非国防資本財から航空機を除いたコア受注は0.1%減となり市場予想も下回っています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の24万4千件と市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やヘルスケア、資本財・サービスなどの6業種が下げました。一方で電気通信サービスやエネルギー、生活必需品などの5業種が上げ、電気通信サービスは5%を超える大幅高となっています。
4.個別銘柄動向
携帯電話事業の契約者数が純増となり、売上高が市場予想を上回ったベライゾン・コミュニケーションズが8%近く上昇しダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。また、ボーイング(BA)とメルク(MRK)、ウォルト・ディズニー(DIS)が3%前後上昇しました。この結果ベライゾン・コミュニケーションズとボーイング、メルク、ウォルト・ディズニーの4銘柄でダウ平均を110ドル近く押し上げています。さらに決算で1株利益が市場予想を上回ったプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%を超える上昇となっています。一方、決算で最終赤字が拡大し利用者数も伸び悩んだツイッター(TWTR)が急落したほか、ハイテク株に利益確定の売りが出てアップル(AAPL)が2%近く下げ、アップルはダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。グーグル持ち株会社のアルファベット(GOOGL)やアマゾン・ドット・コム(AMZN)などのハイテク株も売られましたが、市場予想を上回る決算を受けて目標株価の引き上げが相次いだフェイスブック(FB)は買われ上場来高値を更新しています。インテル(INTC)も小幅安となりましたが、取引終了後に発表した決算が市場予想を上回り、通期の業績見通しを上方修正したことから時間外で一時大きく上昇しました。同じく取引終了後に決算を発表したアマゾン・ドット・コムは大幅減益となり時間外で売られています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.31%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなり、ドル円も引き続き111円台前半で推移するなど、買い材料に乏しいことから本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか本日も日経平均が節目の20,000円近辺で底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)