マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は上昇しダウ平均が連日で史上最高値を更新 日本市場は米国株高で上昇か
NYダウ: 21963.92 △72.80 (8/1)
NASDAQ: 6362.94 △14.82 (8/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は金融株やハイテク株が買われ上昇し、ダウ平均が連日で史上最高値を更新しました。70ドル高でスタートしたダウ平均は昼過ぎに100ドル高近くまで買われ節目の22,000ドルまであと10ドルに迫るなど一日を通して堅調に推移すると72ドル高の21,963ドルと6日続伸となり、5日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も14ポイント高の6,362ポイントと4日ぶりに反発しています。
2.経済指標等
6月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.1.%増となり市場予想と一致しました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたPCEコアデフレータは前年同月比1.5%上昇し市場予想を上回りました。一方で6月の米個人所得は前月比で変わらずとなり市場予想を下回っています。また、7月の米ISM製造業景況感指数も56.3と前月から低下し市場予想を下回りました。6月の米建設支出も前月比1.3%減となり市場予想を下回っています。さらに7月の米新車販売台数も年率換算で1673万台となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち金融や情報技術、公益事業、不動産などの8業種が上げました。一方でヘルスケアと資本財・サービス、生活必需品の3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
インテル(INTC)が2%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、米金融監督当局がボルカー・ルールの修正で合意したと伝わったことでJPモルガン・チェース(JPM)やゴールドマン・サックス(GS)も堅調でした。また、四半期決算で3年ぶりに最終損益が黒字に転換したソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が急伸しています。四半期決算が増収増益で通期の利益の見通しを引き上げた豪華客船のロイヤル・カリビアン・クルーズ(RCL)も大幅高となり上場来高値を更新しています。決算で1株利益が市場予想を上回ったゼロックス(XRX)も大きく上げました。一方で通期の売上高見通しを引き下げたアンダーアーマー(UA)が急落しています。決算で1株利益が市場予想を下回った産業エンジンのカミンズ(CMI)も大きく下げています。なお、取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)はiPhoneの販売が市場予想を上回り、1株利益も市場予想を上回ったことから時間外で大きく上昇しています。
5.為替・金利等
長期金利は市場予想を下回った米ISM製造業景況感指数や冴えない米新車販売を受けて0.04%低い2.25%となりました。こうしたなかドル円は109円台を付ける場面もありましたが、朝方は110円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高を受けて本日の日本市場は上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の20,000円を回復し、一目均衡表の雲の上限(19,990円)を抜けられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)