マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均は小幅に3日続伸 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 21998.99 △5.28 (8/15)
NASDAQ: 6333.01 ▼7.22 (8/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は良好な経済指標が相場の支えとなる一方で、一部小売り株への売りが重石となり売り買いが交錯するなか小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は前日終値を挟んで一日を通して小幅に揉み合う展開となり5ドル高の21,998ドルと3日続伸となっています。一方でS&P500株価指数が1ポイント安の2,464ポイントと3日ぶりの反落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も7ポイント安の6,333ポイントとこちらも3日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
7月の米小売売上高は前月比0.5%増となり市場予想も上回りました。また、6月の米小売売上高が0.2%減から0.3%増へと、5月が0.1%減から横ばいへとそれぞれ上方修正されています。 8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数も25.20となり市場予想を上回っています。さらに8月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も68となり市場予想を上回りました。7月の米輸出物価指数も前月比0.4%上昇し市場予想を上回っています。米輸入物価指数は前月比0.1%上昇し市場予想と一致しました。一方で6月の米企業在庫が前月比0.5%増となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや一般消費財・サービス、エネルギーなどの6業種が下げ、電気通信サービスと一般消費財・サービスが1%前後の下落となっています。一方で公益事業や生活必需品、情報技術などの5業種が上げています。
4.個別銘柄動向
ホームセンター大手のホーム・デポ(HD)が2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。決算で1株利益や売上高が市場予想を上回ったものの材料出尽くしから売りに押されました。また、決算で売上高が市場予想に届かなかった高級皮革のコーチ(COH)や、業績の見通しが市場予想を下回ったスポーツ用品販売のディックス・スポーティング(DKS)が急落しています。一方で著名投資家ウォーレン・バフェット氏の率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)が新たに株式を取得していたことが明らかとなった金融のシンクロニー・ファイナンシャル(SYF)が大幅高となっています。さらに投資判断の引き上げを受けて小型カメラのゴープロ(GPRO)や写真共有アプリのスナップチャットを展開するスナップ(SNAP)が堅調だったほか、決算で売上高などが市場予想を上回ったディスカウントストアのTJX(TJX)も小幅に上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い2.27%となりました。ドル円は110円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。大幅高となった後で利益確定の売りも出やすいなかでさらに戻りを試すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)