市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は利上げ観測が後退し小幅に上昇 ダウ平均は4日続伸 日本市場は小動きでのスタートか

NYダウ: 22024.87  △25.88 (8/16)
NASDAQ: 6345.11  △12.10 (8/16)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は小幅に上昇しました。節目の22,000ドルを回復してスタートしたダウ平均は一時90ドル高近くまで買われましたが、トランプ米大統領が助言組織である「米製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」の解散を発表したこともあって午後に入って上げ幅を縮めると前日終値近辺まで弱含む場面もみられました。しかし、22,000ドルを割り込むことなく底堅さをみせるとFOMC議事要旨の結果を受けて利上げ観測が後退したこともあってやや持ち直し結局25ドル高の22,024ドルと4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も12ポイント高の6,345ポイントと反発しています。

2.経済指標等
米連邦準備理事会(FRB)が公表した7月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、参加者の多くが物価上昇率が目標の2%を下回る状態が予想以上に長期化する可能性があると指摘していたことがわかりました。また、一部の参加者はインフレ率がFRBの目標に近づいていることを確認できるまで利上げをしない方がよいと述べていることも明らかとなりました。7月の米住宅着工件数は年率換算で前期比4.8%減の115万5000戸となり市場予想も下回っています。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や一般消費財・サービス、公益事業などの9業種が上げ、素材は1%近く上昇しています。一方でエネルギーと金融の2業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となっています。

4.個別銘柄動向
決算が市場予想を上回ったディスカウントストアのターゲット(TGT)や、計測機器を手掛けるアジレント・テクノロジーズ(A)が大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けてジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も堅調でした。一方で長期金利の低下を受けてゴールドマン・サックス(GS)やJPモルガン・チェース(JPM)が下げたほか、原油価格の下落を嫌気してエクソンモービル(XOM)やシェブロン(CVX)も下落しています。独自のコンテンツに約10億ドルの予算を組んだと伝わったアップル(AAPL)は一時上場来高値を更新しましたが、利益確定の売りが出て小幅に下げて取引を終えています。

5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨の結果を受けて利上げ観測が後退し0.05%低い2.22%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ110円台前半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場は上昇した一方で、ドル円が円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の下限(19,731円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)

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