マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は積極的な売買が手控えられるなか小幅に高安まちまち 日本市場は地政学リスクが警戒され下落か
NYダウ: 21808.40 ▼5.27 (8/28)
NASDAQ: 6283.02 △17.37 (8/28)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米南部テキサス州での洪水の影響を見極めたいとして積極的な売買が手控えられるなか小幅に高安まちまちとなりました。上昇して始まったダウ平均は50ドル高近くまで買われましたが、買いが続かずしばらくしてマイナスに転じるとその後は軟調な推移が続きました。結局ダウ平均は5ドル安の21,808ドルと反落して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が1ポイント高の2,444ポイントと続伸したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も17ポイント高の6,283ポイントと4日ぶりに反発となっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちヘルスケア、情報技術、素材などの6業種が上げました。一方で金融やエネルギー、不動産などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
米南部での洪水に伴い保険金の支払い増加が懸念されトラベラーズ(TRV)が2%を超える下落となりダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。また、ゴールドマン・サックス(GS)も1%近く下げ、トラベラーズとゴールドマン・サックスの2銘柄でダウ平均を36ドル余り押し下げています。一方で復興需要が業績を押し上げるとの見方からホームセンターのホーム・デポ(HD)が1%を超える上昇となりダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなったほか、新型iPhoneの発表イベントを9月12日に開催すると伝わったアップル(AAPL)も1%高となり、ホーム・デポとアップルの2銘柄でダウ平均を22ドル余り押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、同業のカイト・ファーマ(KITE)を買収すると発表したバイオ製薬のギリアド・サイエンシズ(GILD)が買われ、カイト・ファーマは買収価格にさや寄せする格好で急伸しています。ネット旅行予約大手のエクスペディア(EXPE)は最高経営責任者(CEO)がライドシェアのウーバーテクノロジーズの次期CEOに転じると伝わったことで大幅安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は先週末と変わらずの2.16%となりました。ドル円は北朝鮮がミサイルを発射し日本の上空を通過したことで地政学リスクが警戒され朝方に円高が進み108円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は北朝鮮がミサイルを発射したことで地政学リスクへの警戒が高まるなか大きく下落してのスタートが予想されます。急速に円高が進んでいることから日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)