マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は続伸 ナスダック総合株価指数は前日に続いて史上最高値を更新 日本市場は北朝鮮による核実験を受けて下落か
NYダウ: 21987.56 △39.46 (9/1)
NASDAQ: 6435.33 △6.67 (9/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計や米ISM製造業景況感指数の結果を受けて景気の回復が続くなかで緩和的な金融環境が長期化するとの期待から続伸しました。昼過ぎに90ドル高まで買われたダウ平均はその後上げ幅を縮めたものの39ドル高の21,987ドルと4日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も6ポイント高の6,435ポイントと5日続伸となり前日に続いて史上最高値を更新しています。
2.経済指標等
8月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比15万6000人増となり市場予想を下回りました。失業率は4.4%と前月から0.1ポイント悪化しました。平均時給も前年同月比2.5%増に止まり市場予想を下回っています。8月の米新車販売台数も年率換算で1614万台となり市場予想を下回っています。8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も96.8と速報値から0.8ポイント低下し市場予想を下回っています。7月の米建設支出も前月比0.6%減となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。一方で8月の米ISM製造業景況感指数は58.8と前月から上昇し2011年4月以来の高水準となり市場予想も上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや一般消費財・サービス、素材などの7業種が上げました。一方で公益事業や情報技術などの4業種が下げました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではゼネラル・エレクトリック(GE)が2%を超える上昇となったほか、シェブロン(CVX)とナイキ(NKE)も1%を上回る上げとなっています。長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%近く上げました。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回ったセキュリティー対策ソフト開発のパロアルトネットワークス(PANW)と通期業績の見通しを上方修正したスポーツ衣料のルルレモン・アスレティカ(LULU)が急伸しています。一方で決算が市場予想を下回ったうえ、通期の売上高の見通しを下方修正した高解像画像処理用半導体メーカーのアンバレラ(AMBA)が急落しています。
5.為替・金利等
長期金利は市場予想を上回った米ISM製造業景況感指数を受けて0.05%高い2.16%となりました。ドル円は北朝鮮による核実験を受けて朝方に円高が進み109円台後半で推移しています。一時109円台前半まで円高となる場面がありました。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は北朝鮮による6回目の核実験を受けて改めて地政学リスクが警戒され下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は円高が進んでいることからドル円の動向をにらみながらとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケットアナリスト 金山 敏之)