マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は利益確定の売りに押され下落 ダウ平均は10日ぶりに反落 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 22359.23 ▼53.36 (9/21)
NASDAQ: 6422.69 ▼33.35 (9/21)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は米FOMCといった重要イベントを通過し材料に乏しいなか利益確定の売りに押され下落しました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は一日を通してじりじりと下げ幅を広げると53ドル安の22,359ドルと安値圏で取引を終え10日ぶりに反落しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も33ポイント安の6,422ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万3千件減の25万9千件となり悪化を見込んでいた市場予想を下回り改善しました。また、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数も23.8と前月から上昇し市場予想を上回りました。さらに8月の米景気先行指標総合指数も前月比0.4%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や電気通信サービス、情報技術などの9業種が下げ、生活必需品は1%近い下落となりました。一方で資本財・サービスと金融が上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではプロクター・アンド・ギャンブル(PG)と、iPhoneXの生産に遅れが出ているとの見方が出たアップル(AAPL)が2%近く下げ、2銘柄でダウ平均を30ドル余り押し下げました。一方でゼネラル・エレクトリック(GE)が2%近く上げダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車のテスラ(TSLA)が自動運転の人工知能向け半導体をアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)と共同開発していると報じられたことで画像処理半導体大手のエヌビディア(NVDA)が3%近く下げています。アドバンスト・マイクロ・デバイスもテスラとの共同開発を否定したことで下げに転じ2%を超える下落となっています。書籍や子供向けの教育関連の出版を手掛けるスカラスティック(SCHL)も決算で最終赤字が市場予想以上に膨らんだことで大幅安となっています。石油大手のアナダルコ・ペトロリアム(APC)は自社株買いを発表したことで大幅高となりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.27%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は外部環境に大きな動きがみられないことから小動きでのスタートが予想されます。こうしたなかで利益確定の売りをこなし日経平均が昨日に続いて年初来高値を更新できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)