マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
日経平均は44円高の2万400円と小幅に上昇し年初来高値を更新
1.概況
本日の日経平均は44円高の2万400円と小幅に上昇し年初来高値を更新しました。新興市場のマザーズ指数や東証2部指数も上昇した一方でTOPIXやJPX日経400は下落と、主要指数は高安まちまちでした。先週末の米国市場が堅調でドル円も112円台半ばから後半の円安水準で推移したことから日経平均は44円高の2万400円で寄り付きました。本日の日経平均は高値と安値の値幅が50円足らずと非常に狭い値幅の中で方向感に欠ける1日となりました。日経平均は寄り付き後に上げ幅を7円高まで縮めて1日の安値をつけましたが、マイナスに転じる直前で踏みとどまるとその後は再び上げ幅を広げました。10時半過ぎに55円高と1日の高値をつけた日経平均は前場を20円高で終えました。日経平均は後場に入るとほとんど値動きが出ずに推移しましたが、引け間際にやや上げ幅を広げて取引を終えました。東証1部の売買代金は2兆634億円と2兆円をわずかに上回りました。東証33業種はゴム製品や鉄鋼、保険業など15業種が上昇しました。一方で石油石炭製品や倉庫運輸関連、空運業など18業種が下げています。なお、寄り付き前に発表された日銀短観の業況判断指数は大企業・製造業がプラス22と前回調査から改善し、3ヶ月後の先行き予測についてもプラス19と市場予想を上回りましたがマーケットに与えた影響は限定的でした。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップの任天堂(7974)が小幅に上げたほか、リクルートホールディングス(6098)、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)などが上昇しました。一方で売買代金2位に入った日産自動車(7201)が3%近く下げたほか、三菱UFJ(8306)やトヨタ自動車(7203)、日本郵政(6178)なども軟調でした。日産自動車は出荷前の新型車の最終検査で国の規定違反が見つかったとして約6万台の販売を停止すると発表したことが嫌気されました。その他材料が出たところでは、カジュアル衣料店のアダストリア(2685)は7.4%の大幅安となりました。先週末の大引け後に今期の売上高と営業利益予想を下方修正したことが嫌気されました。アダストリアは東証1部の値下がり率トップとなっています。また、中間期の売上高が前年同期比6%の減収で営業赤字だったジーンズメイト(7448)も2.5%安となっています。一方で住石ホールディングス(1514)は一時ストップ高となり、終値でも37%近い大幅高となりました。連結子会社の保有する豪州の炭鉱会社から従来予想の3億円を大きく上回る11億円強の配当を受け取ることが決定したと発表し、今後の業績予想の上方修正期待が高まり買われました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はわずかではあるものの9月25日につけた年初来高値を更新と幸先の良い10月スタートとなりました。今週は解散総選挙や北朝鮮問題の動向が注目を集めるほか、今夜発表されるISM製造業景況指数や金曜日に発表される雇用統計など米国の重要経済指標が数多く発表されます。これらの経済指標は年内に再度利上げを行うかどうかの重要な判断材料となるため、結果次第でドル円市場が大きく変動する可能性があり注意が必要です。
(マネックス証券 マーケット・アナリスト 益嶋 裕)