マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均とS&P500株価指数は史上最高値を更新 日本市場は買い材料に乏しく下落してのスタートか
NYダウ: 23163.04 △5.44 (10/19)
NASDAQ: 6605.07 ▼19.15 (10/19)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は利益確定の売りが出やすいなかで小幅に高安まちまちとなり、ダウ平均とS&P500株価指数が連日で史上最高値を更新しました。50ドル安と下落して始まったダウ平均はしばらくして105ドル安近くまで売られましたが、切り返すとその後は下げ幅を縮める展開となりました。引けにかけてプラスに転じたダウ平均は結局5ドル高の23,163ドルと5日続伸となり、4日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も0.8ポイント高の2,562ポイントとこちらも5日続伸となり4日連続で史上最高値を付けています。一方でアップル(AAPL)など時価総額の大きいハイテク株の一角に売りが出たことでハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は19ポイント安の6,605ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
10月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数は27.9と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数も前週比2万2000件減の22万2000件と1973年3月以来44年半ぶりの低水準となり、市場予想を上回る改善となりました。一方で9月の米景気先行指標総合指数は前月比0.2%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、電気通信サービスなどの6業種が上げ、公益事業は1%高となりました。一方で生活必需品や情報技術などの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
IPhone8の販売が低迷し減産に追い込まれそうだと伝わったアップルが2%を超える下落となり、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とゴールドマン・サックス(GS)も1%近く下げ、アップルとユナイテッドヘルス・グループ、ゴールドマン・サックスの3銘柄でダウ平均を50ドル以上押し下げています。一方で市場予想を上回る決算を発表したトラベラーズ(TRV)が2%を上回る上昇となったほか、ゼネラル・エレクトリック(GE)も2%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、市場予想を上回る2018年11月期の利益見通しを発表したソフト大手のアドビシステムズ(ADBE)が急伸し、上場来高値を更新しています。決算が市場予想を下回ったフィリップ・モリス・インターナショナル(PM)は大きく下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.32%となりました。こうしたなかドル円はやや円高に振れ112円台半ばで推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に高安まちまちで、ドル円もやや円高と買い材料に乏しいことから本日の日本市場は利益確定の売りで下落してのスタートが予想されます。こうしたなか昨日で13連騰となった日経平均が切り返し、1960年12月21日から1961年1月11日に達成した14連騰といった最長連騰記録に並ぶことができるか注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)