マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均とS&P500は続伸 日本市場は昨日の大幅高の地合いを引き継ぎ続伸でのスタートか
NYダウ: 23435.01 △57.77 (11/1)
NASDAQ: 6716.53 ▼11.14 (11/1)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。市場予想を上回る雇用指標や良好な企業決算を受けてダウ平均とS&P500株価指数は続伸したものの、一部の主力ハイテク株に利益確定の売りが出たナスダック総合株価指数は反落となりました。取引開始後しばらくして140ドル高まで買われ24日に付けた史上最高値(23,441ドル)を上回る場面もあったダウ平均は、FOMCの結果発表を控えるなか利益確定の売りに押されると昼過ぎに10ドル高余りまで上げ幅を縮めましたが、FOMCの結果発表後にやや持ち直すと結局57ドル高の23,435ドルで取引を終えています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,579ポイントとなりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は11ポイント安の6,716ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米新車販売台数は年率換算で1809万台となり市場予想を上回りました。10月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数も23万5千人増となり市場予想を上回りました。9月の米建設支出も年率換算で前月比0.3%増となり市場予想を上回っています。一方で10月の米ISM製造業景況感指数は58.7と前月から低下し市場予想も下回りました。米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くことが決定され、声明では米経済は底堅いペースで成長しているとして前回の穏やかに成長したから景気判断が引き上げられ、緩やかなペースの利上げを続ける姿勢を維持しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや素材、生活必需品など7業種が上げ、エネルギーが1%を超える上昇となりました。一方で公益事業や電気通信サービスなどの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
決算が増収増益となり通期の収益見通しを引き上げた化粧品大手のエスティローダー(EL)や、決算が市場予想を上回る増収増益となったUSスチール(X)が急伸しました。決算が市場予想を上回った日用品のクロロックス(CLO)や、米新車販売が市場予想を上回ったフォード・モーター(F)も堅調でした。一方で広告収入の見通しが慎重と受け止められたニューヨーク・タイムズ(NYT)や、赤字決算を発表したゲームのエレクトロニック・アーツ(EA)が大きく下げています。なお、取引終了後に決算を発表したフェイスブック(FB)は売上高や1株利益が市場予想を上回ったことから時間外で一時上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%低い2.37%となりました。ドル円は114円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場でダウ平均が上昇し、ドル円もやや円安となっていることから本日の日本市場は昨日の大幅高の地合いを引き継いで上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか昨日に400円を上回る大幅高となって25日移動平均線とのかい離率が5%を超えてきた日経平均が節目の22,500円を超えてくるような展開となるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)