市況概況 - 朝 -

マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)

  • 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
  • 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況

執筆者:マネックス証券 プロダクト部

米国市場は続伸 主要3指数が揃って史上最高値を更新 日本市場は小動きでのスタートか

NYダウ: 23548.42  △9.23 (11/6)
NASDAQ: 6786.44  △22.00 (11/6)

【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>

1.概況
米国市場は半導体分野での大型買収提案や原油価格の上昇を受けて続伸し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。午前中は先週末の終値を挟んで小幅に揉み合う展開が続いたダウ平均ですが、午後は買いが優勢となり小幅高で推移しました。結局ダウ平均は9ドル高の23,548ドルと5日続伸となり3日連続で史上最高値を更新して取引を終えています。またS&P500株価指数も3ポイント高の2,591ポイントと5日続伸となり、先週末に続いて史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も22ポイント高の6,786ポイントと続伸となり、こちらも先週末に続いて史上最高値を更新しています。

2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち電気通信サービスや生活必需品、素材などの6業種が下げ、電気通信サービスが2%を超える下落となったほか、生活必需品も1%余りの下げとなっています。一方でエネルギーや不動産、一般消費財・サービスなどの5業種が上げ、エネルギーが2%を上回る上昇となったうえ、不動産も1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向
半導体大手ブロードコム(AVGO)から買収提案を受けたと発表したクアルコム(QCOM)が買収価格にさや寄せする格好で一時6%近く上昇する場面がありました。ただ、ブロードコムの買収提案に対しクアルコムが否定的と伝わったことで1%余りの上昇で取引を終えています。また、インテル(INTC)に画像処理半導体を提供すると発表した半導体大手のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅高となっています。さらにウォルト・ディズニー(DIS)が2%高となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。21世紀フォックス(FOXA)がニュースとスポーツ部門を除く事業の大半をウォルト・ディズニーに売却する方向で協議していると伝わりコンテンツの充実が業績拡大につながるとの期待から買われました。一方でTモバイルUS(TMUS)との合併交渉を打ち切ると発表したソフトバンクグループ(9984)傘下のスプリント(S)が11%を超える下落となり急落しています。TモバイルUSも6%近い大幅安となっています。スプリントとTモバイルUSの統合が実現すれば企業数の減少で携帯大手同士の競争が緩和されるとの見方もあるなか、2社の統合断念を受けて携帯電話首位のベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)も売られました。ベライゾン・コミュニケーションズは4%近く下げ、ダウ平均構成銘柄で下落率トップとなっています。

5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.31%となりました。ドル円は113円台後半で推移しています。

【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が小幅に上昇する一方で、ドル円が円高となるなど強弱材料が入り混じる格好となっていることから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均の25日移動平均線とのかい離率が5%を上回っていることもあって上値の重い一日となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)

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