マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は税制改革の先行き不透明感が強まり反落 日本市場は米国株安を受けて下落か
NYダウ: 23461.94 ▼101.42 (11/9)
NASDAQ: 6750.05 ▼39.07 (11/9)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は税制改革の先行き不透明感が強まり反落しました。71ドル安でスタートしたダウ平均は上院共和党が法人減税の実施を1年先送りする内容の税制改革案を提案すると伝わったことで下げ幅を広げると昼過ぎに250ドル安余りまで下落しました。その後下げ幅を縮めたダウ平均ですが結局101ドル安の23,461ドルと8日ぶりに反落して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も39ポイント安の6,750ポイントと反落となっています。
2.経済指標等
9月の米卸売在庫は前月比0.3%増となり市場予想と一致しています。9月の米卸売売上高は前月比1.3%増となり市場予想を上回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万件増の23万9000件となり市場予想を上回る悪化となっています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスや素材、情報技術などの6業種が下げ、資本財・サービスは1%を超える下落となりました。一方でエネルギーや電気通信サービスなどの4業種が上げ、不動産は変わらずとなっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではマクドナルド(MCD)が2%近く下落したほか、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)やアメリカン・エキスプレス(AXP)なども1%を超える下落となっています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)が1%を上回る上昇となり、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。ダウ平均構成銘柄以外では、特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った百貨店大手のメーシーズ(M)が11%近く上昇し急伸しました。市場予想を上回る決算を発表した事務用品小売りのオフィス・デポ(ODP)も7%以上上昇し大幅高となっています。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)はインテル(INTC)がアドバンスト・マイクロ・デバイスの画像処理技術の責任者を採用すると発表したことが嫌気され5%安となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.34%となりました。ドル円は113円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。高値警戒感から利益確定の売りがでやすいなかで、日経平均が売り一巡後に押し目買いから切り返すような展開となるかがポイントとなりそうです。また、本日はSQですが、日経平均がSQ値を上回って終わるのか、それとも下回って終わるのかも注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)