マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は5日連続で史上最高値を更新 日本市場は円高で下落してのスタートか
NYダウ: 24585.43 △80.63 (12/13)
NASDAQ: 6875.80 △13.48 (12/13)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなり、ダウ平均が連日で史上最高値を更新しました。上昇して始まったダウ平均は上げ幅を広げると米上下両院の共和党指導部が税制改革法案の一本化で大筋合意したと伝わったことで昼ごろに160ドル高余りまで買われました。その後FOMCの結果発表を控え様子見となり一旦上げ幅を縮めたダウ平均ですが、FOMCで政策金利見通しが据え置かれる一方で来年以降の経済成長見通しが引き上げられたこともあって再び150ドル高余りまで買われました。引けにかけて利益確定の売りに押されたダウ平均ですが結局80ドル高の24,585ドルと5日続伸となり、4日連続で史上最高値を更新しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も13ポイント高の6,875ポイントと反発しています。一方でS&P500株価指数は1ポイント安の2,662ポイントと5日ぶりに反落となっています。
2.経済指標等
米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利は市場の予想通り0.25%引き上げられました。参加メンバーの政策金利見通しは2018年末、2019年末、2020年末とも据え置かれる一方で、2018年のGDPの伸びの見通しが2.1%から2.5%に、2019年が2.0%から2.1%に、2020年が1.8%から2.0%にそれぞれ引き上げられました。11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.2%上昇し市場予想と一致しました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は1.7%の上昇に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品や資本財・サービス、ヘルスケアなどの7業種が上げました。一方で金融やエネルギーなどの4業種が下げ、金融は1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、好調な建設機械の世界販売や強気の投資判断を受けてキャタピラー(CAT)が3%を超える上昇となり、上場来高値を更新しました。ナイキ(NKE)も3%以上上昇し、キャタピラーとナイキでダウ平均を50ドル程度押し上げています。一方でIBM(IBM)が2%近く下げ、アメリカン・エキスプレス(AXP)とJPモルガン・チェース(JPM)も1%を上回る下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、高速通信に使う光学機器や部品などを製造し、アップル(AAPL)に顔認証システムなどに使う面発光レーザーを供給しているフィニサー(FNSR)が23%近く上げ急伸しました。アップルが優良なサプライヤーを支援する制度で基金からフィニサーに3億9000万ドルを投資すると発表したことが好感されました。半導体メモリー事業の売却を巡って対立してきた東芝(6502)と和解したと発表したウエスタンデジタル(WDC)も2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は弱い米消費者物価指数を受けて0.06%低い2.34%となりました。こうしたなかドル円では円高が進み112円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかドル円の動きをにらみながらの展開となりそうですが、利益確定の売りも出やすいなかで日経平均が底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)