マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は税制改革法案可決への不透明感から反落 8時50分発表の日銀短観に注目
NYダウ: 24508.66 ▼76.77 (12/14)
NASDAQ: 6856.53 ▼19.27 (12/14)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は反落となりました。上昇して始まり取引開始直後に90ドル高近くまで買われたダウ平均ですが、利益確定の売りが出て上げ幅を縮めると昼過ぎにマイナスに転じました。その後、税制改革法案に反対を検討する共和党上院議員が出たと伝わり下げ幅を広げたダウ平均は結局76ドル安の24,508ドルと6日ぶりの反落となり安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も19ポイント安の6,856ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1000件減の22万5000千件となり悪化を見込んでいた市場予想に反して改善しました。また、11月の米小売売上高は前月比0.8%増となり市場予想も上回りました。 11月の米輸出物価指数も0.5%上昇し市場予想を上回っています。米輸入物価指数は前月比0.7%上昇し市場予想と一致しました。10月の米企業在庫も前月比0.1%減となり市場予想と一致しています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財サービスを除く10業種が下げました。そのなかでも素材とヘルスケアが1%を超える下落となったほか、電気通信サービスも1%近く下げています。
4.個別銘柄動向
メディア大手の21世紀フォックス(FOXA)の映画や海外事業などを買収すると発表したウォルト・ディズニー(DIS)が3%近く上げ、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなりました。21世紀フォックスも6%を上回る上昇となっています。また、大規模な人員削減などを含むリストラを発表したイスラエルの後発医薬品大手のテバ・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(TEVA)が10%高と急伸しています。一方で投資判断の引き下げを受けてカナダの製薬会社のバリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)が11%近く下げ急落したほか、市場予想を下回る10-12月期の利益見通しを発表した鉄鋼のニューコア(NUE)も4%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.35%となりました。ドル円は112円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株安に加え、ドル円もやや円高となっていることから本日の日本市場は下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で22,561円)を維持できるかがポイントとなりそうです。また、本日は寄り付き前の8時50分に日銀短観が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)