マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は主要3指数が揃って史上最高値を更新 日本市場は米国株高で反発か
NYダウ: 25574.73 △205.60 (1/11)
NASDAQ: 7211.78 △58.21 (1/11)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は原油価格の上昇や一部航空会社の好決算を受けて反発し、主要3指数が9日に付けた史上最高値を揃って更新しました。小幅に上昇して始まり昼過ぎに160ドル高余りまで上げ幅を広げたダウ平均はその後も堅調に推移すると引けにかけて一段高となり結局205ドル高の25,574ドルとほぼ高値引けとなり史上最高値を更新して取引を終えています。また、S&P500株価指数も19ポイント高の2,767ポイントとなりこちらも史上最高値を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も58ポイント高の7,211ポイントと史上最高値を付けています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比1万1千件増の26万1千件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%低下し市場予想も下回りました。12月の米財政収支は前年同月比15.2%減の231億9400万ドルの赤字に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げました。そのなかでもエネルギーが2%高となったほか、一般消費財・サービスと資本財・サービス、素材も1%を超える上昇となっています。一方で不動産と公益事業、生活必需品が下げています。
4.個別銘柄動向
決算で売上高や1株利益が市場予想を上回ったデルタ航空(DAL)が5%近く上げ、上場来高値を更新しました。こうしたデルタ航空の好決算を受けて航空機需要が増加するとの期待からボーイング(BA)も2%を超える上昇となっています。また原油価格の上昇を受けてシェブロン(CVX)が約3%上昇し、ダウ平均構成銘柄で上昇率トップとなっています。事務機器大手のゼロックス(XRX)も5%近く上げました。合弁相手である富士フイルムホールディングス(4901)とゼロックスの経営権の変更を含んだ複数の大型案件について協議していると伝わり富士フイルム主導でゼロックスの経営改善が進むとの期待から買いを集めました。一方で投資判断の引き下げを受けてネット配信インフラのアカマイ・テクノロジーズ(AKAM)が2%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%低い2.53%となりました。ドル円は111円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国市場で主要3指数が揃って史上最高値を更新したことを受けて上昇してのスタートが予想されます。ドル円が円高で推移するなかでどこまで日経平均が上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)