マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
先週末の米国市場は本格化する決算発表への期待から続伸 主要3指数が連日で史上最高値を更新 本日の日本市場は米国株高で反発か
NYダウ: 25803.19 △228.46 (1/12)
NASDAQ: 7261.06 △49.29 (1/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
先週末の米国市場はJPモルガン・チェース(JPM)の市場予想を上回る決算を受けてこれから本格化する決算発表への期待から続伸となり、主要3指数が連日で史上最高値を更新しました。63ドル高でスタートしたダウ平均は210ドル高余りまで買われると一旦上値が伸び悩みましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると228ドル高の25,803ドルと高値圏で取引を終え史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も18ポイント高の2,786ポイントとなり史上最高値を更新したほか、さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も49ポイント高の7,261ポイントとなり史上最高値を付けています。
2.経済指標等
12月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.1%上昇し市場予想と一致しました。変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は1.8%上昇し市場予想を上回っています。12月の米小売売上高は前月比0.4%増加し市場予想と一致しています。11月の米企業在庫は前月比0.4%増加し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、そのなかでも一般消費財・サービスが1%を超える上昇となったほか、エネルギーと金融も1%近く上げています。一方で不動産と公益事業、生活必需品の3業種が下げました。
4.個別銘柄動向
全米小売業協会(NRF)が昨年の11-12月の年末商戦の小売売上高が前年同期比5.5%増え想定を大幅に上回ったと発表したことで小売関連株が買われました。百貨店のコールズ(KSS)やディスカウントストアのターゲット(TGT)などが4%前後の上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%を上回る上昇となり初めて1,300ドル台に乗せ上場来高値を更新しています。物言う株主が株式を取得したと伝わったホームセンターのロウズ(L)も2%を超える上昇となっています。メディア大手のバイアコム(VIAB)は同業との合併を模索していると伝わったことで急伸し10%近く上げています。一方でコンテンツの表示方法を改めると発表したことで企業からの広告収入の減少を警戒した売りが出たフェイスブック(FB)が4%以上下げています。代理店の元従業員らが、会計の不正やインサイダー取引が横行していると告発したと伝わった保険のアフラック(AFL)が7%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.01%高い2.54%となりました。ドル円は111円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は先週末の米国市場で主要3指数が揃って連日で史上最高値を更新したことを受けて上昇してのスタートが予想されます。日経平均はドル円が円高で推移するなかでどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうで、9日に付けた昨年来高値(23,849円)を試すような場面がみられるかが注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)