マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は買い戻しの動きが続き大幅続伸 日本市場はドル円の動向に神経質な展開か
NYダウ: 25200.37 △306.88 (2/15)
NASDAQ: 7256.43 △112.82 (2/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は買い戻しの動きが続き5日続伸となりました。154ドル高でスタートし230ドル高近くまで上昇したダウ平均はその後上げ幅を縮めるとマイナスに転じ昼前には84ドル安まで売られました。しかし、直ぐに切り返すと再びプラスに転じ午後は上げ幅を大きく広げる展開となりました。結局ダウ平均は306ドル高の25,200ドルとほぼ高値引けとなり節目の25,000ドルを回復して取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も112ポイント高の7,256ポイントとなっています。
2.経済指標等
1月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比2.7%上昇し市場予想を上回りました。2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も25.8と前月から上昇し市場予想を上回っています。一方で2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は13.1と前月から低下し市場予想も下回りました。1月の米鉱工業生産も前月比0.1%低下し上昇を見込んでいた市場予想を下回りました。1月の米設備稼働率も77.5%と前月から低下し市場予想を下回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比7000件増の23万件となり市場予想を上回って悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも公益事業が2%を超える上昇となったほか、情報技術も2%近く上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。なかでも決算で売上高が9四半期ぶりの増収となったシスコシステムズ(CSCO)が5%近く上げたほか、ボーイング(BA)とアップル(AAPL)、ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)も3%を上回る上昇となりました。アップルは米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ(BRK.B)が保有株数を増やしたことが好感されました。一方でユナイテッドヘルス・グループ(UNH)とゼネラル・エレクトリック(GE)、エクソンモービル(XOM)が下げ、ユナイテッドヘルス・グループは1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、市場予想を上回る決算を発表した半導体製造装置のアプライドマテリアルズ(AMAT)が4%近く上げています。顧客情報管理最大手のセールスフォース・ドットコム(CRM)も投資判断の引き上げを受けて4%近く上げています。決算で1株利益が市場予想を上回った化粧品大手のエイボン・プロダクツ(AVP)は急伸し13%を超える上昇となっています。データセンター大手のエクイニクス(EQIX)は売上高の見通しが市場予想を下回ったことで6%以上の下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.01%高い2.91%となりました。ドル円はさらに円高となり106円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が大幅高となったことから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。円高が重石となるなかで日経平均がどこまで上値を伸ばせるのかがポイントとなりそうで、本日もドル円の動向に神経質な展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)