マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまち ダウ平均の週間の上げ幅は過去最大 日本市場は円高一服で上昇か
NYダウ: 25219.38 △19.01 (2/16)
NASDAQ: 7239.47 ▼16.96 (2/16)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は投資家心理改善による買いが続く一方で、3連休前ということもあって利益確定の売りも出やすく小幅に高安まちまちとなりました。前日終値を挟んで小幅に揉み合う展開でスタートしたダウ平均ですが間もなくして買いが優勢になると上げ幅を広げ昼過ぎには232ドル高まで買われました。その後ロシアの米大統領選干渉疑惑などを捜査するモラー特別検察官が複数のロシア企業とロシア人を起訴したと伝わると上げ幅を縮め小幅にマイナスとなる場面もみられました。しかし、取引終盤に持ち直したダウ平均は結局19ドル高の25,219ドルと6日続伸となっています。この結果ダウ平均は週間で1,028ドル上昇し、週間の上げ幅としては過去最大となっています。また、S&P500株価指数も1ポイント高の2,732ポイントと6日続伸となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は16ポイント安の7,239ポイントと6日ぶりの反落となっています。
2.経済指標等
1月の米住宅着工件数は年率換算で前月比9.7%増の132万6000戸となり市場予想を上回りました。また、2月の米ミシガン大学消費者態度指数速報値も99.9となり市場予想を上回りました。さらに1月の米輸入物価指数も前月比1.0%上昇し市場予想を上回ったほか、米輸出物価も0.8%上昇し市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業やヘルスケア、不動産など6業種が上げました。一方で一般消費財・サービスや素材、エネルギーなどの5業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ロス商務長官が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限案を示したことでUSスチール(X)が15%近く上げたほか、AKスチール・ホールディング(AKS)も14%近い上昇となりました。ニューコア(NUE)も4%を超える上昇となっています。また、増配と自社株買いの発表を受けてハンバーガーチェーンのウェンディーズ(WEN)が4%を超える上昇となりました。決算で1株利益が市場予想を小幅に上回ったコカ・コーラ(KO)も小幅に上げています。一方、決算で既存店売上高の伸びが鈍化したことで目標株価の引き下げが相次ぎハンバーガーチェーンのシェイク・シャック(SHAK)が8%近く下落しました。キャンベル・スープ(CPB)も決算で既存店売上高の減少が続いたことで3%を上回る下落となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い2.87%となりました。ドル円は円安に振れ106円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は先週末の米国市場でダウ平均が続伸となったほか、ドル円も円高一服となっていることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上値を伸ばし一目均衡表の転換線(先週末時点で21,958円)を抜けてくるような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)