マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はFOMC議事要旨の発表を受けて乱高下 ダウ平均は166ドル安 日本市場は米国株安で下落か
NYダウ: 24797.78 ▼166.97 (2/21)
NASDAQ: 7218.23 ▼16.08 (2/21)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はFOMC議事要旨の発表を受けて乱高下するなか続落となりました。上昇してスタートしたダウ平均はその後も堅調に推移するとFOMC議事要旨の発表を受けて利上げペースが緩やかなものになるとの見方から大きく上げ幅を広げ一時300ドル高余りまで買われましたが、長期金利が上昇すると急速に上げ幅を縮めマイナスに転じ大きく下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は166ドル安の24,797ドルと続落となりほぼ安値引けで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も16ポイント安の7,218ポイントと3日続落となっています。
2.経済指標等
2月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.9となり市場予想を上回りました。一方で1月の米中古住宅販売件数は年率換算で前月比3.2%減の538万戸となり増加を見込んでいた市場予想を下回りました。また、1月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、数人の参加者が経済活動や労働市場の拡大が相当な賃金や物価の上昇圧力につながるとの確実な証拠が乏しいと指摘していたことがわかりました。その一方で大半の参加者はより力強い経済成長見通しが一段の緩やかな政策引き締めが適切になる可能性を高めたと指摘していたことが判明しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産が2%近く下げたほか、エネルギーと電気通信サービス、公益事業、生活必需品も1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中26銘柄が下げました。そのなかでも前日に10%安と急落したウォルマート・ストアーズ(WMT)が続落となり3%近く下げました。また、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とホームデポ(HD)も2%近く下げています。一方でユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)が2%を上回る上昇となったほか、マクドナルド(MCD)も1%近く上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算が市場予想を上回った自動車用品店のアドバンス・オート・パーツ(AAP)が8%を超える上昇となっています。さらにアマゾン・ドット・コム(AMZN)が目標株価の引き上げもあって1%近く上昇しています。一時は2%以上上昇し初めて節目の1,500ドルを上回る場面もみられました。
5.為替・金利等
長期金利はFOMC議事要旨の発表を受けて0.06%高い2.95%となりました。ドル円は107円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなかで昨日同様に5日移動平均線(昨日時点で21,846円)がサポートとなるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)