マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は貿易摩擦への懸念が後退し大幅高 日本市場は米国株高と円安で大きく上昇か
NYダウ: 24874.76 △336.70 (3/5)
NASDAQ: 7330.71 △72.84 (3/5)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大幅高となりました。トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉でカナダとメキシコと公正な通商関係で合意できれば2国に対し鉄鋼とアルミニウムの輸入制限で交渉の余地があると述べたことで貿易摩擦への懸念が後退しました。下落して始まったダウ平均は一時150ドル安まで売られる場面もありましたが、しばらくしてプラスに転じるとその後は大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に420ドル高余りまで買われたダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの、結局336ドル高の24,874ドルと大きく上昇し5日ぶりに反発しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も72ポイント高の7,330ポイントと続伸となっています。
2.経済指標等
2月の米ISM非製造業景況感指数は59.5と前月から低下しましたが市場予想は上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも公益事業が2%近く上げたほか、金融や素材、不動産なども1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はナイキ(NKE)を除く29銘柄が上げました。そのなかでも貿易摩擦を懸念した売りが続いていたキャタピラー(CAT)が3%を上回る上昇となったほか、ボーイング(BA)も2%を超える上昇となり、この2銘柄でダウ平均を90ドル近く押し上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、目標株価の引き上げを好感して動画配信のネットフリックス(NFLX)が4%を上回る上昇となり上場来高値を更新しました。また、投資判断の引き上げを受けて製薬大手のバリアント・ファーマシューティカル・インターナショナル(VRX)と半導体のマイクロチップ・テクノロジー(MCHP)がともに3%を超える上昇となっています。保険のXLグループ(XL)は仏保険大手のアクサが総額153億ドルで買収すると発表したことで買収額にさや寄せする格好で急騰し30%近く上げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.88%となりました。ドル円は米国株高や長期金利の上昇を受け円安に振れ106円前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国株高と円安を受けて本日の日本市場は大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は昨日に割り込んだ200日移動平均線(昨日時点で21,185円)を超えて大きく上値を伸ばす展開となりそうで、節目の21,500円を試すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)