マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は高安まちまち ダウ平均は115ドル高と反発 日本市場は小動きでのスタートか
NYダウ: 24873.66 △115.54 (3/15)
NASDAQ: 7481.74 ▼15.07 (3/15)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は前日までの3日間で580ドル近く下げていたこともあって自律反発狙いの買いで反発したものの、時価総額の大きい主力株の下落を受けてS&P500株価指数とナスダック総合株価指数は続落となりました。79ドル高でスタートしたダウ平均はしばらくして295ドル高まで買われましたが、トランプ米政権が対中貿易で最低でも300億ドルの輸入関税を検討していると伝わると貿易摩擦が懸念され午後には30ドル高程度まで上げ幅を縮める場面もみられました。引けにかけて持ち直したダウ平均は結局115ドル高の24,873ドルと4日ぶりに反発して取引を終えています。一方でS&P500株価指数が2ポイント安の2,747ポイントと4日続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も15ポイント安の7,481ポイントと3日続落となっています。
2.経済指標等
3月のニューヨーク連銀製造業景況指数は22.5と前月から上昇し市場予想も上回りました。2月の米輸入物価指数も前月比0.4%上昇し市場予想を上回っています。一方で2月の米輸出物価指数は前月比0.2%上昇し市場予想を下回っています。3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数も22.3と前月から低下し市場予想を下回りました。3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も70となり市場予想を下回っています。先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比4000件減の22万6000件となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち素材や生活必需品、エネルギーなどの8業種が下げ、素材は1%を超える下落となりました。一方で資本財・サービスと金融、情報技術の3業種が上げています。
4.個別銘柄動向
通期の業績見通しが市場予想を上回った1ドルストアのダラー・ゼネラル(DG)が5%近く上げました。中国の証券取引所への上場を計画中と伝わった中国の電子商取引最大手のアリババ集団(BABA)も3%を上回る上昇となっています。また、バイオ製薬のアレクシオン・ファーマシューティカルズ(ALXN)も新薬で良好な臨床結果が出たと発表したことを受けて3%を上回る上昇となりました。一方で経営破綻した玩具販売のトイザラスが米国の全店舗を閉店する見込みと伝わり販路縮小を懸念した売りが出て玩具のマテル(MAT)が2%を超える下落となったほか、玩具のハズブロ(HAS)も小幅に下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.83%となりました。ドル円は106円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場が高安まちまちとなり材料になりにくいことから本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向をにらみながらの展開となりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)