マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は中国との貿易摩擦が警戒され大幅安 日本市場は米国株安を受けて大幅下落か
NYダウ: 23957.89 ▼724.42 (3/22)
NASDAQ: 7166.68 ▼178.61 (3/22)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米大統領が最大で600億ドル規模の中国製品に関税を課す制裁措置を正式に表明したことで中国との貿易摩擦への警戒感が強まり大幅安となりました。156ドル安でスタートしたダウ平均は昼過ぎに500ドル安余りまで下げ幅を広げると一旦下げ渋り230ドル安程度まで持ち直す場面もみられましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると引け間際には743ドル安まで売られました。結局ダウ平均は724ドル安の23,957ドルと続落となり節目の24,000ドルを割り込んで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も178ポイント安の7,166ポイントと続落となっています。
2.経済指標等
3月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.7となり市場予想を上回りました。2月の米景気先行指標総合指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比3000件増の22万9000件となり改善を見込んでいた市場予想に反して悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業を除く10業種が下げました。そのなかでも金融と資本財・サービスが3%を超える下落となったほか、素材とヘルスケアも3%近く下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでも中国との貿易摩擦への懸念からキャタピラー(CAT)とボーイング(BA)が5%を超える下落となりました。スリーエム(MMM)も5%近く下げ、キャタピラーとボーイング、スリーエムの3銘柄でダウ平均を250ドル以上押し下げています。また、金利低下を受けてJPモルガン・チェース(JPM)も4%以上の下げとなったほか、ゴールドマン・サックス(GS)も3%を上回る下落となりました。ダウ平均構成銘柄以外では、一部の肺がん治療薬の開発を断念すると発表したバイオ製薬のアッヴィ(ABBV)が急落し13%近く下げました。決算で売上高が市場予想を下回った外食のダーデン・レストランツ(DRI)も8%近く下げています。さらに目標株価の引き下げが相次いだフェイスブック(FB)と、買収した高級スーパーのホールフーズ・マーケッツの幹部が相次いで離職していると報道があったアマゾン・ドット・コム(AMZN)も2%を超える下落となっています。一方で決算が市場予想を上回ったカジュアル衣料のゲス(GES)が急伸し28%余り上昇しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%低い2.82%となりました。ドル円は104円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下げてのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の21,000円を割り込んで下げ幅を広げそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)