マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は大幅続伸 ダウ平均は大幅安で始まるも切り返し230ドル高 日本市場は米国株高と円安で上昇か
NYダウ: 24264.30 △230.94 (4/4)
NASDAQ: 7042.11 △100.83 (4/4)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は大幅続伸となりました。米国が中国の1300品目に関税をかける方針を決めたことへの報復措置として中国政府が106品目の米国産品に報復関税をかけると発表したことで貿易摩擦への懸念が高まり取引開始直後に510ドル安まで売られたダウ平均ですが、その後徐々に下げ幅を縮めるなか午後に米国家経済会議(NEC)の委員長が対中通商措置は貿易戦争ではなく交渉だと述べたと伝わると貿易摩擦回避に向けた米中間での交渉が進むとの思惑から買いが優勢となりました。プラスに転じ上げ幅を広げ引け間際に275ドル高まで買われたダウ平均は結局230ドル高の24,264ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も100ポイント高の7,042ポイントとなり節目の7,000ポイントを回復しています。
2.経済指標等
3月のADP全米雇用リポートで民間部門雇用者数は前月比24万1000人増となり市場予想を上回りました。一方で3月の米ISM非製造業景況感指数は58.8と前月から低下し市場予想も下回りました。2月の米製造業受注も前月比1.2%増に止まり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーを除く10業種が上げました。そのなかでも一般消費財・サービスが2%近く上昇したほか、生活必需品やヘルスケア、情報技術なども1%を超える上昇となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもマイクロソフト(MSFT)とIBM(IBM)が3%近く上昇したうえ、ナイキ(NKE)とホームデポ(HD)も2%を超える上昇となりました。また、コカ・コーラ(KO)とアップル(AAPL)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も2%近く上げています。一方でボーイング(BA)が1%安となったほか、シェブロン(CVX)とエクソンモービル(XOM)も小幅に下げています。ボーイングは中国との貿易摩擦への懸念から6%近く下げる場面もありました。ダウ平均構成銘柄以外では、農機・建機のディア(DE)も中国との貿易摩擦を懸念して3%近く下げています。住宅建設大手のレナー(LEN)は市場予想を上回る増収増益の決算を発表したことで急伸し10%高となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.80%となりました。ドル円は106円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の21,500円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)