マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は地政学リスクがやや後退し大幅反発 日本市場は米国株高で上昇か
NYダウ: 24483.05 △293.60 (4/12)
NASDAQ: 7140.25 △71.22 (4/12)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はトランプ米大統領の直ちにシリアに対し軍事力を行使しない可能性があることを示唆する発言を受けて地政学リスクがやや後退するなか決算への期待もあり大きく反発しました。113ドル高でスタートしたダウ平均はその後も堅調に推移し上げ幅を広げると取引終盤に一段高となり400ドル高余りまで買われました。引けにかけて上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局293ドル高の24,483ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も71ポイント高の7,140ポイントとなっています。
2.経済指標等
先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件減の23万3000件となりましたが、市場予想ほどは改善しませんでした。また、3月の米輸出物価指数は前月比0.3%上昇し市場予想を上回っています。一方で米輸入物価指数は前月比横ばいとなり市場予想を下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げました。そのなかでも金融が2%近く上昇したほか、資本財・サービスと情報技術、素材も1%を上回る上昇となりました。一方で5業種が下げ、公益事業と不動産が1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が上げました。そのなかでもインテル(INTC)とボーイング(BA)が3%余り上昇したほか、長期金利の上昇を受けてゴールドマン・サックス(GS)とJPモルガン・チェース(JPM)も2%を超える上昇となっています。ダウ・デュポン(DWDP)とキャタピラー(CAT)、シスコシステムズ(CSCO)も2%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高が市場予想を上回ったデルタ航空(DAL)が3%近く上げています。3月の既存店売上高が大きく伸びたコストコ・ホールセール(COST)も2%を上回る上昇となっています。一方で決算で1株利益が市場予想を下回った家庭用品小売りのベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)が急落し20%近く下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.05%高い2.83%となりました。ドル円は107円台前半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が買い一巡後にさらに上値を伸ばすような展開をみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)