マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場はスリーエムやキャタピラーが弱気な見通しを示したことが嫌気され下落 日本市場は米国株安で下落か
NYダウ: 24024.13 ▼424.56 (4/24)
NASDAQ: 7007.35 ▼121.25 (4/24)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場はでスリーエム(MMM)やキャタピラー(CAT)が先行きに弱気な見通しを示したことが嫌気され大きく下げました。131ドル高と上昇して始まったダウ平均ですがまもなくして下落に転じると午後に入って大きく下げ幅を広げる展開となりました。一時は620ドル安近くまで売られたダウ平均は引けにかけて下げ幅を縮めたものの結局424ドル安の24,024ドルと5日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も121ポイント安の7,007ポイントと4日続落となりました。
2.経済指標等
2月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で主要20都市圏の住宅価格指数は前年同月比6.8%上昇し市場予想も上回りました。3月の米新築住宅販売件数も年率換算で前期比4.0%増の69万4000戸となり市場予想を上回っています。さらに4月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数も128.7と前月から上昇し市場予想を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、資本財・サービスと素材が2%を超える下落となったほか、情報技術も2%近く下げました。一方で電気通信サービスと公益事業、不動産の3業種が上げ、電気通信サービスは1%を上回る上昇となりました。
4.個別銘柄動向
通期の業績見通しの上限を引き下げたことでスリーエムが7%近く下げダウ平均構成銘柄で下落率トップとなりました。キャタピラーも6%を上回る下落となりました。1-3月期の決算が市場予想を上回ったことで上昇して始まり一時は4%以上上昇したものの、最高財務責任者(CFO)が1-3月期の業績が今年のピークとの見方を示したことから売りが優勢となり大きく下げました。スリーエムとキャタピラーの2銘柄でダウ平均を165ドル押し下げています。グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も5%近く下げました。決算は市場予想を上回る大幅な増収増益だったものの、積極的な投資を受けて利益率が大きく低下したことが嫌気されました。一方で冷蔵庫部品事業を日本電産(6594)に売却すると発表した家電大手のワールプール(WHR)が4%近く上げています。決算で利益が予想ほど落ち込まなかった大型バイクのハーレー・ダビッドソン(HOG)も2%を上回る上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い3.00%となりました。長期金利が3%台に乗せるのは4年3カ月ぶりとなります。こうしたなかドル円は一時109円台を付ける場面もありましたが、朝方は108円台後半で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の22,000円を前に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)