マネックス証券オリジナル市況概況 (毎営業日、朝夕2回更新。)
- 朝(8時30分ごろ) NY概況および東京市場見通し
- 夕(17時30分ごろ) 東京市場概況および個別銘柄概況
執筆者:マネックス証券 プロダクト部
米国市場は小幅に高安まちまちでほぼ横ばい 日本市場は後場に発表予定のトヨタの決算に注目
NYダウ: 24360.21 △2.89 (5/8)
NASDAQ: 7266.90 △1.69 (5/8)
【米国株式市場】
<ニューヨーク市場>
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちでほぼ横ばいとなりました。イラン核合意からの離脱に関する判断の発表を午後に控えて様子見となり軟調な推移が目立ったダウ平均は、トランプ米大統領による核合意からの離脱表明を受けて160ドル安近くまで下げ幅を広げる場面もありましたが、イランが核合意を堅持すると表明したことを受けて持ち直すと結局2ドル高の24,360ドルと4日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も1ポイント高の7,266ポイントと3日続伸となっています。一方でS&P500株価指数は0.7ポイント安の2,671ポイントと3日ぶりに反落となりました。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち公益事業や電気通信サービス、ヘルスケアなどの7業種が下げ、公益事業が2%を超える下落となったほか、電気通信サービスも1%以上下げました。一方でエネルギーや資本財・サービスなどの4業種が上げています。
4.個別銘柄動向
物言う株主が株を取得していたと伝わったシティ(C)が3%以上上昇しました。カナダの製薬大手バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナル(VRX)も決算で売上高が市場予想を上回ったことで急伸し9%近く上げています。また、トランプ米大統領によるイランとの核合意からの離脱表明を受けて地政学リスクが意識され軍需関連株が買われました。ロッキード・マーチン(LMT)が2%高となったほか、ノースロップ・グラマン(NOC)も4%近く上げています。一方で21世紀フォックス(FOXA)のコンテンツ事業の買収に向けて準備を進めていると伝わったCATV大手のコムキャスト(CMCSA)が財務負担を懸念した売りで5%を超える下げとなりました。さらに決算で売上高が市場予想を下回った衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)が急落し12%余り下落しています。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%高い2.97%となりました。ドル円は109円近辺で推移しています。
【VIEW POINT: 今日の視点】
米国市場がほぼ横ばいとなったことから日本市場も小動きでのスタートが予想されます。本日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算を発表する予定で注目を集めそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)